「食事は一日一杯の青汁だけ」という女性がいます。

にわかには信じられない話ですが、「食べること、やめました」の著書森美智代さんはその食生活で健康を維持しています。
 

 
「おいしいハンバーガーのこわい話」とともに、食について考えさせられる二冊です。

「食べること、やめました」食事は一日一杯の青汁だけ 森美智代さん

「食べること、やめました」―1日青汁1杯だけで元気に13年(Amazon)」は、「超小食実践者」としてメディアにも登場されている、森美智代さんの本です。
 
そもそも森さんが少食を始めるきっかけになったのは、21歳のときに難病の「脊髄小脳変性症」に罹患していると判明したことです。
 

 
以後、甲田光雄医師の指導を受けながら少食を基本とした療養を続けます。その結果森さんは難病を克服し、健康に生活できるようになりました。
 
病気が治っても少食の傾向はどんどん強くなり、ついには一日に青汁一杯だけの食事に落ち着きます。
 
「さすがに栄養失調になるのでは?」と考えてしまいますが、森さんは血液検査などの数値は全て基準内、骨量や筋肉量は平均的な女性よりも多め、という栄養学の常識を覆す身体を維持しているのです。
 
「常識はずれ」といえば、本書の後半は森さんの「霊能力」についての話になります。 本来私はこのテの話を眉唾に感じるのですが、森さんの人間離れした生活習慣を考えると、もしかしたらホントかも・・・と思えてきます。
 
カロリー制限が健康に寄与するのは、おそらく間違いありません。
 
森さんの場合はやや極端ですが、日頃食べ過ぎを自覚していて、「カロリー制限やらなきゃ」と考えている方は、一度本書を読んでみてはいかがでしょうか。
 
(関連コンテンツ)
森美智代さんが愛用しているサプリメント

「おいしいハンバーガーのこわい話」M社の実態についても

このHPで紹介するからには、「おいしいハンバーガーのこわい話」が「ファストフードの健康への悪影響」という側面がトピックになっているのは言うまでもありません。
 
しかし私としては、むしろファストフード企業(主にM社)の実態に、より興味をそそられました。

・M社がどのように誕生し、販路を広げていったか
 
・M社に北米で初めて労働組合が作られた時、会社はどう対応したか
 
・ファストフード企業はなぜ、またいかにして子供をターゲットにするのか
 

 
・アラスカの「近代世界に接したのが一番遅い人々」の生活や文化が、1959年に「アメリカのアラスカ州」となってからどのように変わっていったか
 
・材料のじゃがいもや鶏、牛がどのように加工されているか
 
・肥満対策として行われている胃のバイパス手術の実態
 
・これらに対する筆者の考え

 
などなど、「何となく聞いた話」が改めて語られていて、私は少なからず衝撃を受けました。
 
カスタマーレビューも極めて高評価です。このコンテンツを作成している時点では、40件中34件が星4つ以上評価です。星1つ評価はナシ。
 
翻訳本らしい文体ですが、読みにくいわけではありません。実にスムーズに読めます。
 

 
この本の前書きの一部を紹介します。

食べものは人の根本にかかわる重要なものなのだ。そんなに重要なのに、なぜ、ほとんどの人はファストフードについて深く考えないし、よく知らないのだろう?
 
答えは単純明快。ファストフードを売る会社が人々に深く考えてほしくないから。

超巨大ファストフード企業の内実を知るルポとして興味をかきたてられる本です。手に取る機会があったら、ぜひご一読あれ。