多くの人が気にしているダイエット。
「いかにやせるか」=「いかに食べないか」と解釈されている向きも多いようです。
これは確かにダイエットの一面ではあるのですが、場合によっては「食べ方によっては体重を減らす助けになる」こともあるようです。
このコンテンツでは、その例としてハワイ式ダイエットを紹介します。
(この記事は「病気になりたくない人はこうしなさい!(Amazon)」138~142ページを参考にしています)
食事制限しないのに体重が減る?食べるものを変えて
日本でしばらく生活した外国人が、「日本では、お腹いっぱい食べても体重が減っていくんだよ!驚いた!HAHAHA!」というエピソードを聞いたことはありませんか?
似たような話が、先日紹介した本「病気になりたくない人はこうしなさい!」にありました。
アメリカのある人が、1年間でなんと70kgもの減量に成功しました。
減らした重さが驚異的ですが、さらに驚くべきなのは、この人が運動や食事制限を全く行わなかったことです。
変えたのは、食事の質だけ。
ハンバーガーやフライドポテトといったジャンクフードの類や清涼飲料水ばかりの食事から、野菜や果物をふんだんに使った、ビタミン・ミネラル豊富な食事に替えたのです。
実はこれ、「ハワイ式ダイエット」と呼ばれる、ハワイの伝統食を食べてやせるダイエット法なのです。
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研究者自身がみるみる太った経験→伝統食で減量!
アメリカに併合されるまで、ハワイに肥満の人はほとんどいませんでした。
しかし併合後西洋文化が流入した現在では、ネイティブハワイアンの肥満率は世界でも最高水準です。体重が200kgを超える人も珍しくなく、三人に一人は肥満といわれています。
この問題を解消するべく、ハワイ州立大学医学部のテリー・シンタニ元教授は、食事のビタミン・ミネラル不足がもたらす肥満について研究しました。
併合前のハワイアンに肥満が少なかったのは、タロイモを主食とし、バナナやパパイヤなどの果物、野菜が豊富な伝統食を食していたからではないかと考えたのです。
実は、ハンバーガーなどのジャンクフードと、ハワイの伝統食によるダイエットでは総カロリー量はほとんど同じです。
しかも食べる重量では伝統食はジャンクフードの何と3倍近くもありました。にも関わらず、体重は減ったのです。
シンタニ元教授の研究では、肥満のハワイアンは、この伝統食を三週間続けるだけでコレステロール値が下がり、体重は平均で5kg減ることがわかっています。
実はシンタニ元教授自身が、ハーバード大学在学中に欧米型食生活を続け、みるみる太ってしまった経験があるそうです。
体重が増えるだけでなく、精神的にも活力が無くなり、勉強にも身が入らなくなってきました。
友人に相談したところ、食事の問題点と重要性を指摘されました。
それから未精製の穀物と、野菜や果物が豊富に食事に切り替えたところ、減量に成功し、体調も学業成績もグングン改善していったのです。
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食べる食品の例:同カロリーでも栄養素が違うと
ビタミンBには多くの種類があり、それぞれ違う働きを持っています。
B1は糖質を、B2は脂質を代謝します。
まずはこれをおさえておいて・・・
太郎君は
・ハンバーガー(パン+牛肉)フライドポテトで500kcal
花子さんは
・玄米(B1が多い)豚肉(B1が多い)緑黄色野菜(B2が多い)で500kcal
食べたとします。
同じカロリー量ですが、太りにくいと考えられるのは、間違いなく花子さんの食事です。
なぜなら、糖質や脂質と同時に、それらを代謝する(消費する)ための栄養素をちゃんと摂取しているからです。
仮にここで、花子さんがダイエットしたいからと玄米と豚肉を食べなくなったらどうでしょうか?摂取カロリーは確かに減るかもしれませんが、同時にビタミンB1の摂取量も少なくなります。
ということは、糖質の代謝が以前ほどスムーズにいかない可能性も出てくるわけです。すると、「余った糖分」として脂肪になって蓄えられるケースも増えるはずです。
(むらお注:余剰糖分が脂肪になる割合は非常に低いという話もあるようです)
ここではビタミンBを挙げましたが、同じような働きをするビタミン・ミネラルは他にもたくさんあります。
これらは「体重を増やさないための栄養素」とでも言えそうです。
ダイエットにおいて、摂取カロリー量を気にするのは確かに正しいです。
それと同時に「ビタミン・ミネラルは十分にとれているか?体の代謝はスムーズに行われているか?」にも気を配れば、ダイエット効率がさらにアップするのではないでしょうか。
摂取カロリーを減らそうと、毎食パン1個だけでは、カロリーは減っても、やせるための栄養素までも不十分になってしまいます。
これでは効率が良いとは言えません。
ダイエットを意識する人は、「○○は我慢しよう」と、「食べない」決心をするケースが多いものです。
しかし、ダイエットをサポートする栄養素(ビタミン・ミネラル)を摂取するため、食べる量(食材)を増やす、あるいは入れ替えるという考え方もアリではないでしょうか。
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