雑誌「トレーニング・ジャーナル2012年11月号(Amazon)」(以下 TJ)を読んでいたら、「サウナの効果」という記事がありました。(71~73ページ)

最近の入浴関連の話題と言えば、半身浴、足湯あたりがメインで、サウナの話はあまり聞かないようです(私が知らないだけ?)。
 

 
でも、温熱健康法の元祖は、温泉と並んでサウナではないでしょうか?
 
このところやや忘れられた感のあるサウナについて、興味深い内容だったので紹介します。サウナは脳にも良いかもしれないそうです。


 

汗でしか排出できない毒素

サウナといえば、何といっても「発汗」でしょう。とんでもない量の汗が出ます。
 
発汗は、老廃物の排泄とセットで語られることが多いです。
 
私としては、発汗によるデトックス効果はそれほど高くないのでは?と考えているのですが、TJの記事によると汗でしか排泄できない物質もあるのだそうです。
 

 
具体的には
 
ダイオキシン 農薬 食品添加物 水銀や鉛などの重金属
 
です。
老廃物というより毒素ですね。
 
(そういえば、添加物の多い食品を食べた後に湿疹が出るのは、汗腺から排泄しようとする反応なのでしょうか?)
 
記事では「身体を動かして出す汗のほうが排泄量は多い」とありますが、サウナによる発汗でも効果は期待できるそうです。

サウナの効果を最大限に活かす入り方

サウナでは、
 
サウナで温まって汗をかく→冷水シャワーor冷水浴→サウナ・・・(以下繰り返し)
 
という手順で入る人が多いのではないでしょうか。サウナと冷水浴を繰り返すやりかたです。
 
これでもOKなのですが、TJの記事では、これに足温浴を加えた交代浴を「サウナの効果を最大限に活かす方法」としています。
 

 
具体的には、

10分前後サウナに入り汗をかく

冷たすぎない水のシャワーor水風呂で冷水浴

お湯を入れた足桶に5分ほど足を浸す足温浴

再びサウナへ

 
という過程を3~4回繰り返すのです。
 
冷温と高温の温度差が脳を刺激し、循環器系に働きかけ、末梢神経機能の活発化を促します。血流が活性化して身体が温まり、新陳代謝も上昇します。

サウナは脳にも良い効果

サウナの効果は、身体を温めるだけではありません。
 
TJの記事では、「記憶力がよくなり、潜在意識が高まる」という効果も紹介されています。
 
交代浴により脳が刺激を受けると、眠っていた脳細胞も活動を開始するので脳全体の働きがアップするのだとか。
 

 
そういえば、OECDなどが行っている、児童の学習到達度調査では、フィンランドが常に上位ですよね。
 
フィンランドはサウナの本場です。TJの記事では「もしかすると、子供の学力の高さはサウナが関係しているかもしれない」としています。
 
冬場だけでなく、暖かい季節にもサウナに入ってみてはいかがでしょうか?
 
ミネラル入り水分の補給と湯冷めにはくれぐれもお気をつけましょう。

雑学 本場フィンランドのサウナ事情

サウナの発祥はフィンランドです。
 
フィンランドの家庭には日本のような浴槽は無く、代わりにサウナが必ずあります。約500万人の人口に対し、サウナはおよそ200万あるそうです。
 
サウナがついているアパートも多く、留学生が使うシェアアパートにさえ共同サウナが設置されていることもあるとか。
 

 
フィンランドのサウナではストーブの薪やサウナの建物自体にも白樺を使います。
 
サウナに入っている人が、葉付きの枝で身体をバサバサ叩いているのを見たことはないでしょうか?あの枝も白樺です。
 
昔からフィンランドでは白樺を森の妖精の化身だと考えていて、サウナストーンに水をかけたときに出る蒸気も、白樺を経て現れた妖精なのだそうです。
 
古代フィンランドではサウナを神聖な場所としていました。
 
単なる浴室としてだけではなく、死者を葬る前に身を清める場所として、またお産にも使われていました。
 
日本でサウナが普及するきっかけになったのは、1964年の東京オリンピックです。選手村に設置されたのを機に全国に広がっていきました。