混合診療とは、病気を治療する際に、保険が適用される診療とそうでない診療(自由診療)を組み合わせて行うことです。

現在の日本では原則として認められていませんが、「認めるべきか否か」の議論は続いています。(この記事は2009年3月に作成しています)

混合診療では保険が使えない(すべて自己負担)裁判の結果は

混合診療が認められていない現在、保険診療と自由診療が併用された場合、健康保険は使えなくなります。
 
つまり治療費の全額が自己負担になるのです。
 
例えば、がんの治療を行う際、
 
保険適用される放射線治療や抗がん剤治療
 

 
保険適用されない免疫療法や保険適用外の薬剤
 
を併用したとします。
 
するとこの治療全体で健康保険が使えなくなり、これら全てを全額自己負担しなくてはならないのです。
 

 
当然のことながら患者の金銭的負担は重くなります。「納得いかない」と感じるのは、治療を受ける当事者だけではないでしょう。
 
「保険適用外の診療のみを自己負担にするべきだ」という訴訟が07年11月に起こされました。
 
この訴訟の原告は神奈川県の男性がん患者で、東京地裁は
 
「健康保険法などを検討しても、保険外の治療が併用されると保険診療について給付を受けられなくなるという根拠は見いだせない」
 
という男性勝訴の判決を出しています。つまり、判決からは「混合診療もアリか?」と感じられるわけです。
 
ただし、この判決では「法解釈の問題と、混合診療全体のあり方の問題とは次元の異なる問題」として混合診療の是非については判断していません。
 
私個人的には混合診療は認めるべきだと思うのですが、もうしばらく議論は続きそうです。