近年は「物忘れ外来」という医療サービスが提供されています。
この「物忘れ外来」ではどのような診察が行われるのでしょうか。
まず重視されるのが、患者のライフスタイルについての把握です。
生活習慣、家族構成や仕事などは脳の刺激に直結することが多いので診察をするうえで重要な判断材料になるのです。
簡単な計算や記憶力テストなど、脳の働きをみる質問も行われます。
これらの質問はあらかじめいくつか用意されていて、答えによって点数をつけて症状の程度を判定します。
物忘れ外来での診察の目的のひとつに「物忘れが加齢によるものか、別の疾患によるものかを判別する」ことがあります。
物忘れは、うつ、頭部の外傷、脳の腫瘍や血管障害、栄養の不足などによっても発症します。これらが原因の場合は別の対処が必要です。
そのため「物忘れ外来」であっても血液や血流、脳波に尿も検査し、MRIも行います。診察の参考に、これまでの病歴も質問されます。
ちなみに、高齢者で物忘れが多くなるとすぐ痴呆を心配してしまいますが、本人が物忘れを自覚しているのであれば痴呆の可能性は少ないです。
注意が必要なのは「行った行為や行動を忘れている」場合です。