「脳に必要なもの」と聞けば、最初に連想するのは「酸素ブドウ糖」あたりではないでしょうか。
 
この二つに加え、アミノ酸も脳には欠かせません。
 
年をとったからといってあまりに粗食に走ると、脳への栄養が不足する恐れがあります。

私たちの脳には、140~150億の脳細胞がありますが、20歳をすぎるあたりから徐々に減りはじめ、60歳になるころには若いころの五分の四になると言われています。(年をとってからでも脳細胞の数は増えるという報告もあります)
 
年とともにどんどん数が減っていく脳細胞でも、脳細胞自体が元気で活発に活動していれば、脳細胞の死滅スピードを遅らせることができます。
 
この時に活躍するのがアミノ酸で、中でもバリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニン、グルタミンの5種類は特に重要な働きをします。
 
脳が受け取った情報は、電気信号の形で脳細胞間を伝わります。上のアミノ酸はこの信号を強くし、より強い刺激に変える働きをします。
 
脳細胞同士の情報交換のネットワークを広げる樹状突起という部分があります。上の五種類のアミノ酸はこの樹状突起の原料になるのです。
 
脳細胞同士のネットワークが広がれば情報が隅々までいきわたり、なおかつ電気信号が強くなるので、必要な情報を素早く、混乱することなく引き出せるようになります。
 
ちなみに私はたんぱく質が不足してくると、頭がボーッとして活動しなくなります。そんなときは私はプロテインやアミノ酸でたんぱく質を補給します。
 
たんぱく質は私の「やる気」維持のキモになる栄養素です。

アルツハイマー・脳委縮予防にビタミンB?

アルツハイマーの前段階にある高齢者が、ビタミンBを毎日摂取すると、脳の委縮を抑制できるかもしれないそうです。
 
オックスフォード大学の研究チームが(2010年)9月9日の科学誌に発表しました。
 
研究チームは軽度認知障害のある人168人の半数にビタミンB(ビタミンB6、B12、葉酸)の錠剤を、残りの人には偽薬を2年間服用してもらいました。
 
その後、MRIを使って脳がどの程度委縮しているかを調べたのです。
 
その結果、錠剤を飲んでいたグループの脳委縮率は年間0.76%だった一方で、偽薬を飲んでいたグループは1.08%委縮していたのです。
 
「ビタミンBが脳の委縮を遅らせた」ととれる結果ですが、実験を行ったオックスフォード薬理学部は
 
「有望な結果ではあるが、ビタミンBにアルツハイマーの発症を遅らせたり、予防する効果があるかどうかを結論付けるにはまだ実験を行う必要がある」
 
とコメントしています。
 
また同時に、
 
「歳をとって物忘れが不安になった人が、すぐにビタミンBのサプリメントに飛びつくのはまだ勧めない」
 
とも指摘しているそうです。
 
脳委縮に対するビタミンBの効果を云々するのは、まだ時期尚早のようですが、私にとってビタミンBは「注目している栄養素」のひとつです。
 
「注目している」とは「不足しないよう意識している」という意味でもあり、たんぱく質やビタミンCと同じくらい重要視しています。