ちょっとコワい記事がありました。
 
細菌の「抵抗力」が上がり、近い将来に抗生物質が全く効かなくなるのでは?と危惧されているのです。

MSN産経ニュース
もし“細菌”が“抗生物質”との戦いに勝利したら… 抵抗力が強くなる細菌に警告が
sankei.jp.msn.com/wired/news/130208/wir13020817030000-n1.htm
(現在は閲覧できません)
 
この記事を参考に、抗生物質の効果が低下している現状とその対策などを紹介します。

どんどん効かなくなる抗生物質 身近な対策は

記事の内容をまとめます。

■現在、淋病治療に有効な薬は1つだけになってしまった
 
■細菌が抵抗力を身につけるまでの期間は短縮されており、抗生物質の「寿命」もどんどん短くなっている
 
■抗生物質の無力化は飢饉や洪水、伝染病に匹敵する脅威だと指摘する専門家もいる
 
■細菌が耐性を持つようになった原因は、抗生物質が安易に処方されすぎたこと
 
■抗生物質を含んだ食肉を摂取するケースもある
 
■「2020年までに少なくとも少なくとも10の新しい有効成分を見つける必要がある」との指摘もあったが、過去5年間に開発された新しい有効成分は2つだけ
 
■対して過去20年間に効果のなくなった成分は60から90に増えた。
 
■製薬会社は、新しい抗生物質の開発には及び腰である なぜなら、寿命の短い薬に投資しても採算が取れないから
 
■私たちにできる対策といえば、
 
まめに手を洗う(特にトイレの後は必須)
お湯と洗剤で台所と台所用品を洗浄する
 
など、衛生に敏感になるくらいしかない

 
以前の私は免疫力が下がると、よく細菌感染のカゼをひいていました。
 
とんでもなくセキと熱が出て辛かったですが、抗生物質を投与されるとてきめんに効きました。
 
いぼ撃退体験談
https://www.murao18.com/hada/ibogekitai-1.html
 
その抗生物質が効かなくなるかもしれない、とは何とも心細い話です。しかし医学は常に進歩していますし、過度に悲観する必要もありません。
 
抗生物質への耐性が上がっているのであって、細菌の感染力が強くなっている、という話ではないのです。
 
身の回りを清潔にし、自らの免疫力を高めて細菌感染を避けることは可能なはずです。

薬剤耐性への対策は

帝京大学病院や愛知県三河地方の病院で、「多剤耐性菌」の院内感染が起きました。
 
「多剤耐性菌」とは、複数の薬剤に耐性を持つ、つまり薬剤が効かない、あるいは効きにくくなる菌を指しています。
 
菌だけでなく、ウイルス、がん細胞、さらにはゴキブリなどの病害虫にも薬剤耐性は見られます。
 
「薬剤が全く効かないウイルス」などが出現する可能性もゼロとは言えないわけで、現実に発生したらかなりヤバいんじゃないの?と不安になるのも無理はありません。
 
対策はどうするのでしょうか?
 
ネットで調べてみたところ、病原体などの耐性獲得への対策としては、

1 耐性病原体に有効な新薬を開発し続ける
2 耐性獲得を起こさない計画的な化学療法の実施
3 耐性病原体の発生状況の監視と把握(感染症の場合)

 
といったものが考えられているようです。
 
1は効果的で実際の治療を行う上でも重要なのですが、開発された新薬にも耐性を持つ病原体もすぐ発生することが多いそうです。
 
そのため、2の計画的な化学療法の実施、つまり
 
その病原体に対してのみ著効を示す薬剤を単独で投与し、短期間のうちに治療する
 
ことがより重要な対策になります。
 
「耐性を持つ前にスパッと治してしまう」わけですね。
 
そして、1あるいは2の対策を生かすためにも、3の発生状況の監視と把握が必要です。
 
感染症が世界規模で広がる現在、「発生した耐性菌の性質」や「どこで発生したか」などの情報を各国が共有することは非常に重要です。
 
流行の蔓延を防ぐと共に、各国で知識や対策を共有することができるからです。
 
 
今回の院内感染の事件でもわかるように、病院などの医療機関では、いろいろな病原菌が存在し、薬物による治療も頻繁に行われているため、病原体が薬剤耐性を獲得しやすいそうです。
 
医療機関での耐性菌対策は急務と言えるのではないでしょうか。