カゼの原因になるウイルスは約60種類ほどあり、その中で一時期に大流行するのがインフルエンザです。
インフルエンザウイルスに感染しても全ての人がインフルエンザを発症するわけではなく、感染時に元気であれば症状が出ないこともあります。
十分な体力と免疫力があれば問題は無いのです。
インフルエンザを防ぐ基礎知識
インフルエンザを予防するためにはまず何よりも体力・免疫力を落とさないことが大切です。
バランスのとれた食事をとって栄養を十分摂り、睡眠時間も確保しましょう。ストレスも可能な限り排除し、ストレスを受けたら上手に解消しましょう。
外出から帰宅したらうがい・手洗いをするのは基本です。(うがいは意味がないという主張もあります)
インフルエンザウイルスは口やのどの粘膜に付着してから20分ほどで細胞内に侵入するといわれています。
流行している時期には外出先でもこまめにうがいをするとさらに安心です。
外で人ごみはできるだけ避け、部屋では適度な湿度を保つよう心がければ感染リスクを抑えられます。
インフルエンザウイルスは症状が表れてから48時間以内に増殖のピークに達します。
タミフルにはウイルスが増殖するのに必要な酵素の働きを抑える成分が入っています。
東京で新型インフルエンザが流行したら
新型インフルエンザとは、動物間だけで流行していたウイルスが変異してヒトにも感染するようになったインフルエンザを指します。
以前東南アジアで大流行した鳥インフルエンザが新型インフルエンザ化することが危惧されています。
A型インフルエンザウイルスは鳥、豚、馬、アシカ、クジラに感染することがわかっていて、これまでにも動物から人間へ感染するケースは確認されています。
しかし中国では鳥インフルエンザが人から人へ感染した例があり、世界に脅威を与えました。
鳥は世界各地を飛び回り、自国への侵入を100%防ぐことが難しいため、ヒト間で感染する新型ウイルスを鳥が運ぶようになってしまうと世界規模で流行が起きてしまいます。
新型インフルエンザは数十年おきに発生しており、1918年から1919年にかけて世界中で大流行したスペインかぜが代表的です。
想定される新型インフルエンザはA型インフルエンザの変異型で、日本人のほとんどが免疫を持っていません。
新型インフルエンザが東京都内で流行した場合、都民の約3割にあたる378万人あまりが感染し、1万4100人が死亡すると東京都が発表しました。
※あくまで推計です
1万4100人という死亡者数は、05年までの過去5年間に都内でインフルエンザにより亡くなった人の総数の約33倍になる数字です。
新型インフルエンザ 患者数と対策
一時期に比べると報道はだいぶ少なくなっていますが、新型インフルエンザの感染は拡大しています。
感染者数があまりにも多いため、WHOは定時集計をやめてしまいました。
日本やアメリカなど主要先進国も感染者の全数把握を停止しています。
患者数が増えすぎて感染確認数に注目する意味があまり無くなったのと、「患者数を把握するよりも、感染の拡大を防ぐことの方が重要」という考えからです。
欧州疾病対策センター(ECDC)により発表された2009年7月23日時点のデータがあります。
それによると、世界全体では
・感染者数15万1656人
・死者868人
で、感染者数・死者数共に最も多いのは米国でそれぞれ4万617人、263人に上っています。イギリスでは感染者数1万1159人、死者数が30人とされています。
しかし先述のように正確な患者数のカウントは行われていません。米国の疾病対策センター(CDC)は全米の感染者数を100万人超と推計しています。
英国の保健当局も、7月下旬の1週間にイングランド地方だけで10万人感染者が増えたと見ています。
日本では死者は確認されておらず、感染者は24日の厚生労働省発表によると5000人を超えています。全ての都道府県で確認されていますが、重症化した例はありません。
ただ、感染した小学生がインフルエンザ脳症を発症したケースがあります。(重症化はしていません)
新型も対策・予防法は同じ 持病のある人・妊婦さん・子供は要注意
過度に心配する必要はありませんが、感染が広がっているのは間違いなく、警戒は怠らないようにしましょう。
新型は対策をするのか?というと、結論としては
「いわゆる普通のインフルエンザ予防と変わらない」
と言えます。
つまり
手洗い うがい マスク着用 人ごみや人の多い密閉空間できるだけ避ける
といったことですね。
妊婦さん、乳幼児・子供、何らかの持病がある人は注意が必要です。
中でも持病がある人は免疫力が落ちているため重症化しがちです。亡くなった方も腎臓、肺、心臓に持病がありました。
子供はインフルエンザと共に脳症を発症することがあり危険です。インフルエンザ脳症ではけいれん、嘔吐、意識障害といった症状が出ます。
いまのところウィルス自体の毒性は強くなっていないため、過度に怖がる必要はありません。
それでも「最低限の注意や予防」は心がけましょう。