大きな被害を及ぼし、場合によっては人間にも感染するので基礎知識を紹介します。
 
鳥インフルエンザは、A型インフルエンザ(ヒトのインフルエンザとは別型)を原因とする感染症です。
 
感染した鳥が死亡するなどの強い病原性を示すものを「高病原性鳥インフルエンザ」といいます(症状が軽いものは「低病原性~」です)。

主として鶏、七面鳥、ウズラ、水鳥のアヒルやカモなどに感染します。水鳥には感染しても発症しません。
 
鶏やウズラ・七面鳥に感染すると、毒性の高い「高病原性鳥インフルエンザ」を発症することがあります。このケースでは養鶏産業には大打撃を与えることがあります。
 
 
これらの鳥と人間が接触した場合、人間への感染もありえます。
 
05年~06年にかけて東南アジアを中心に人間への感染も報告されました。ベトナム、インドネシア、中国では鳥インフルエンザによる死者も確認されています。
 
ヒトに感染した場合、チアノーゼ、壊死、出血、神経症状、皮下浮腫などを発症し、重度の場合は死に至ることもあります。
 
 
今のところ(07年現在)ワクチンなど有効な予防方法はありません。家禽類の飼育場を殺菌するなどしてウイルスの侵入を防ぐしか無いのです。
 
鶏肉や鶏卵を食べることによるウイルス感染の心配は無いとされています。
 
07年時点では、鳥インフルエンザは鳥同士での感染がメインのため、ウイルスを保持する鳥との接触さえ気をつければ感染することはありません。
 
しかし今後のリスクとして最も恐れられているのは、鳥インフルエンザに感染した人間から人間へ感染が広がることです。
 
 
ウイルスが変異してヒトからヒトへの感染する能力を持つようになる可能性は決して否定できるものではなく、この場合はインフルエンザが大流行する恐れがあります。
 
実際、07年の11月~12月には中国の南京市で子から父へ感染した例があり、子供は死亡しています。