寒くなってくるとインフルエンザが気になってきます。
最近は沈静化した感もありますが、数年前はタミフル問題が話題になりました。
タミフルによる死亡例や精神神経症状の多さでは日本が突出していたのです。
備忘録的にこのコンテンツに記録しておきます。
タミフルと児童の死者数 日本人だけが突出して多い
米食品医薬品局(FDA)は、タミフルに関連した16歳以下の子供の異常について、製造元のロシュ社や各国の規制当局に照会しました。
その結果、死亡報告は日本だけだったのです。
幻覚や脳炎などの精神症状は32例あり、うち31例は日本人だったのです。(これらの調査結果・数値等は2005年時点のものです)
2000年のタミフル承認から05年までに日本の子供は12人死亡しています。FDAは死亡と薬服用との因果関係を裏付ける証拠はないという見解です。
米メディアによると内訳は自殺1人、突然死4人、心停止4人などです。アレルギー反応のような強い皮膚症状は日本以外の国からも報告がありました。
タミフルの販売元中外製薬は
タミフルとの因果関係が否定できないと確認されたのは7例。
タミフルは16歳未満の小児約1160万人に投与されているが、幻覚症状が報告されたのは一部。
と反論しています。
なぜ日本人だけが多いのでしょうか?
日本人と欧米人とではタミフルの体内での代謝のされ方が違うという見方もありますが、日本人の死亡例が突出している理由ははっきりとはわかっていません。
ともあれ、タミフル服用による異常行動が相次いだことから日本では06年に10代患者への使用禁止が通達されました。
タミフル問題は現場の小児科医達を混乱させました。
中外製薬の発表によると、日本でのインフルエンザ発症率はタミフルを飲んでいない人で8.5%、タミフルを飲んだ人で1.3%でした。
タミフルはインフルエンザの症状が出てから48時間以内に服用しないと効果が著しく低下します。
またA型・B型インフルエンザ以外やその他の風邪の場合は効果がありません。
インフルエンザ体験談紹介 中学生の娘さん発症 駐車場で待機
近年は毎年のようにインフルエンザが猛威をふるいます。
「子供に予防接種を受けさせた」というご家庭も多いようですが、残念ながら罹患する可能性はゼロにはなりません。
熊本在住のある方が運営されているブログで、娘さんが新型インフルエンザの診察を受けられた時の様子が記事になっていました。
今回はそのブログを参考にさせていただき、「実際に子供がインフルエンザにかかったらこんな感じ」という例を紹介してみます。
そのブログとはこちら。
「くろさん亭」です。
pub.ne.jp/kurosan/?entry_id=2531443
(現在は削除されています)
家族で外出して、自宅へ帰ってくるとすぐに娘さんが「のどが痛い」と訴え始めたそうです。
それでも娘さんはどうにか夕食を食べてぐっすり眠ったものの、翌朝熱を計ったら38.8度(!)もありました。
(むらおより 私も以前、インフルエンザの熱を体験したことがあります。あまりのキツさに、「オレはもう死ぬ!」とマジで考えました)
そこでさっそくかかりつけの小児科に電話し、タクシーで病院へ。(タクシーのドライバーさんにもマスクを渡したそうです)
電話した際には
「病院に着いたら駐車場でいったん待機して頂いて、そこから改めて病院に電話をお願いします」
という指示を受けました。
駐車場で待機するのは感染を広げないための病院の工夫です。
インフルエンザの患者さんが多い場合は待合室をできるだけ使わないようにして院内感染を防ぐわけです。
診察を受けた後、娘さんにはリレンザが処方されました。娘さんは中学生なので、タミフルではなくリレンザが処方されています。
リレンザって、専用の容器で吸入して使うんですね。(ちなみにタミフルは、大人はカプセル、子供はドライシロップで処方されるそうです)
詳しい使い方を解説したDVDを病院が配布しています。
リレンザの効果か、娘さんはセキが残ったものの一晩で平熱に下がりました。
ただし、「くろさん」さんにうつったかも?ということで「くろさん」さんもタミフルを処方してもらったそうです。
タミフルの異常行動と副作用
タミフルと言えば、服用後の「異常行動」が一時期取りざたされました。
07年の2月、タミフルを服用したと考えられる中学生が自宅で療養中、自宅マンションから転落死したのです。
こうした事例を受けて同年3月20日に厚生労働省は「タミフルの10代への使用原則禁止」を通達しています。
また成人がタミフルを服用した場合でも、低い確率ながら次のような副作用が発生することがあるとして厚労省が注意を促しています。
・白目が黄色くなる
・全身の皮膚の発赤・ただれ・水ぶくれ・口内炎・結膜炎
・尿量の減少・むくみ
・出血しやすい
・血便
・意識がぼんやりする、意識がなくなる、うわごとを言ったり興奮したりする
・普段と違うとっぴな行動をとる、幻覚が見える
発症する確率は低いですが、服用後にこうした症状が出たらすぐに医師に相談しましょう。