梅毒は現代では古典的な性感染症になった感がありますが、対処を誤ると恐ろしい病気であることに変わりはありません。

感染して長期間放置すると、脳や脊髄に影響をおよぼし麻痺や精神障害を起こす場合もあります。
 

 
また、妊婦が感染すると胎児にも感染します。

梅毒の潜伏期間や症状・治療法

梅毒の潜伏期間は約3週間です。
 
症状の第1期は性器に硬いしこりや潰瘍が現れ、2期では全身に発疹ができます。3・4期は現在ではほとんど見られなくなりました。
 
治療は抗生物質の投与がメインになります。治療期間は2週間から3ヶ月程度です。放置期間が長いほど治療期間も長くなります。
 

 
梅毒は現在の日本では減少していますが、ある地域で突発的に流行することがあります。
 
以前、秋田市内の性風俗店に勤務する一人の女性から感染が広がり、大きな問題になったことがありました。
 
梅毒とエイズは発症が確認された場合、必ず保健所に届け出るよう義務づけられています。上の秋田市の事例ではあまりに感染者が多く、感染源となった女性と風俗店を特定することができました。

梅毒の雑学「中秋の名月に梅の花」

泌尿器科や産婦人科の間では「中秋の名月には梅の花が咲く」という言葉があります。
   
梅とは「梅毒」のことで、開放的になる夏に感染した梅毒が、潜伏期間を経て発症するのが名月の9月から10月という意味の言葉です。
 
同様に、妊娠中絶の件数が増えるのもこのころといわれています。
 

「梅毒」の名前の由来

梅毒はその発疹がヤマモモ(楊梅)の実に似ているからその名がつきました。
 
コロンブスがアメリカ大陸を発見した後、帰国して広まったと考えられています。15-16世紀にはヨーロッパで大流行しました。