エキノコックス症は、北海道のキタキツネを中心に寄生するエキノコックスという寄生虫によって引き起こされる感染症のひとつです。
動物と接触することで人間に感染する可能性もあります。
このコンテンツではエキノコックスの感染経路や予防法についてまとめます。
エキノコックスの感染経路
エキノコックスの感染経路は以下のようになります。
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2 この卵はキツネや犬の糞に混じり外界に放出され、周囲の土、植物、水等を汚染する。
(この時点で人間が接触することもあり、その場合は人間に感染する)
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3 その汚染された物質にネズミが接触してネズミが感染。ネズミの体内で卵から幼虫へ
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4 感染したネズミを捕獲することで犬やキツネが感染。
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人間には2の時点で感染します。
キタキツネやイヌなどの糞に混じったエキノコックスの卵を、水などと一緒に口から体内に入れることで感染するのです。卵が体内で孵化して幼虫になります。
人間に感染すると、10年ほどの潜伏期間を経て、幼虫が肝臓に病巣を作ります。すると肝機能障害や黄疸、発熱などの重篤な症状が出てきます。
脳に転移すると意識障害やけいれんなどを起こすこともあるのです。
キツネ以外の動物でもエキノコックス 予防法は
北海道以外の本州では青森県の豚、埼玉県の野犬でエキノコックス症が見つかったことがあります。
エキノコックスは猫には感染しにくいと考えられていましたが、北海道では猫の糞からもエキノコックスの卵が見つかっています。
エキノコックスは病巣が発見された時点では、外科手術で切除する以外に有効な手段はありません。予防が大切なのです。
具体的な予防策としては以下のようなものがあります。
■人家にキツネを近づけない・キツネと接触しない。
■ペットとして飼っている犬を、むやみに自然に放さない。
■果実や山菜などは良く洗うか火を通して食べる。
エキノコックスの卵は熱には弱く、100度で1分間か、60度10分間の加熱で死滅します。
北海道など美しい大自然に囲まれたアウトドアは楽しいですが、こういった注意点は頭に入れおきましょう。