「はづかしさ医者にかつおの値が知れる」
 
この川柳は、ヒスタミン食中毒にあたった人をうたっているそうです。

これはその名のとおり、食品中にヒスタミンが大量に発生して起きる食中毒です。
 

 
加工された食品でも発症することがあり、一般的な食中毒対策が効かないとなかなか厄介なようです。

ヒスタミン食中毒の症状 治し方は?

ヒスタミンは化学物質で、大量にとるとアレルギーのような症状を引き起こす可能性があります。
 
ヒスタミンを作るのは、食品中に存在する細菌(ヒスタミン生成菌)です。この菌は20~40℃で活性化します。
 
ヒスタミン食中毒は食後30分~1時間で発症し、上で挙げたほかに
 
下痢 顔や舌の腫れ じんましん
 
といった症状が出ます。
 
これらは長くても一日程度で治まり、死亡した事例は無いそうです。しかし、心臓や呼吸器に基礎疾患のある人の場合、重症化する可能性があります。
 
治し方としては抗ヒスタミン剤が有効なので服用するか速やかに医療機関を受診しましょう。
 
試験管を見つめる女性

食材と対策・予防法

ヒスタミン食中毒が多いのは
 
マグロ ブリ サバ カツオ イワシ サンマ カジキ
 
といった、一般的に広く食べられている魚です。
 
ヒスタミン産生菌はエラや消化管に多いので、これらの部位はできるだけ早く除去しましょう。
 
生の食材だけでなく、干物や缶詰でも発生します。
 
海外では、鶏肉やハム、ワイン、チーズで発症した例があるそうです。
 
2013年10月には缶詰「はごろも シーチキン」から社内基準を超えるヒスタミンが検出されたため、672万個が回収されています。
 

 
この食中毒で一番怖いのは、食品の外見や臭いに変化がないことです。味にも異常はほとんど感じられません。
 
唯一の異変は、ヒスタミンが大量に発生している食品を食べると口の周りや唇、舌がピリピリすることくらいです。
 
さらには、冷蔵していてもヒスタミンは増えますし、加熱してもヒスタミンは無くなりません。塩を使っても、酢を使ってもヒスタミン対策にはなりません。
 
冷凍するとヒスタミンは発生しませんが、冷凍する前にヒスタミンが存在していると食中毒が起きます。
 
予防法として何より大事なのは、新鮮な食材を早く食べることです。常温で放置するなどは論外です。
 
近年話題になることが多いノロウイルスだけでなく、ヒスタミン食中毒にもご注意ください。