こむら返りは脚の筋肉がけいれんを起こし、激しい痛みに襲われる症状で、いわゆる「脚がつった」状態をいいます。
運動不足の人が準備運動を十分行わずに水泳などで体を動かした場合や、高齢者・妊婦さんによく起きます。
こむら返りが起きたら、起きた箇所を伸ばしつつ、優しくさすってあげると、じきに痛みが引いていきます。
こむら返り 原因と対策 ゴマがおすすめ
こむら返りの一番大きな原因は慢性の運動不足です。
こむら返りの「こむら」とはふくらはぎのことで、ここの筋肉は動かさないと硬くなっていきます。それを急に動かそうとするとけいれんが起きるのです。
対処法としては、まず寝る前に何度もふくらはぎを伸ばしておきます。
そして、カルシウムやマグネシウムが不足するとこむらがえりが起きやすくなるので、大豆やひじき、小魚などを食べましょう。
妊婦さんにこむら返りがよく起きるのは、妊娠しているためカルシウムやマグネシウムが不足がちになるからです。
Jリーグ柏レイソルでチームドクターを務めた平石貴久医師は、カルシウムとマグネシウムの補給にはすりゴマが一番、と考えているそうです。
サッカーの中継などを見ていると試合中に脚がつっている選手がたまにいます。
鍛えているサッカー選手でも、過密スケジュールやハードな試合などで体内のカルシウムやマグネシウムが足りなくなると脚がつるのです。
そのため、平石医師は選手に日頃からすりゴマをたくさん食べるようにアドバイスしていました。
その他の食品では、血行を良くするショウガが効果的です。
糖尿病やヘルニアがこむら返りの原因に 治療には
あまりにひんぱんにこむら返りが起きるようなら、別の病気が原因のケースもあります。
- 椎間板ヘルニアや糖尿病、動脈硬化による血液循環不良
- 肝臓病や脊椎・腰椎の異常による神経疾患
- 甲状腺の機能低下
といった病気が考えられるので、医療機関で全身の神経診察、血液検査などを受けましょう。
いずれも神経に不調を起こし、こむら返りを発症させる可能性があります。
まず糖尿病では、合併症のひとつである神経障害がこむら返りの原因になります。糖尿病患者にはこむら返りになる人が多いそうです。
寝ている間のこむら返りが増えたので診察を受けたら、糖尿病が見つかったというケースもあります。
脊柱管狭窄症は、背骨内で神経を包んでいる脊柱管が狭くなり、神経を圧迫する病気です。神経が圧迫されると様々な症状が出るようになり、こむら返りもそのひとつです。
脊柱管狭窄症の患者の7割にこむら返りが起きるという統計もあります。
また甲状腺の機能が低下すると、こむら返りが起きやすくなります。手足の冷えがあるなら、特に発症しやすいことがわかっています。
症状がおさまらない場合は、けいれんを抑える薬も市販されており、副作用もほとんど心配ありません。
どうにも改善しない場合は、最終手段として神経ブロックに麻酔注射を行う方法があります。
注射はあくまで最後の手段なので、まずはウォーキングで脚を動かすなどして、運動不足の解消につとめ、加えてカルシウムとマグネシウムを意識して摂取することで改善を図りましょう。