神経障害は糖尿病の三大合併症のひとつです。
「足が壊死する」ことで知られています。
このコンテンツでは、糖尿病による神経障害について、原因や症状をまとめています。
神経障害の原因
高血糖状態が続くと神経細胞内にソルビトールという物質が蓄積するようになります。
ソルビトールの蓄積が進むと神経が正常に働かなくなり、神経障害が起きてしまうのです。
また糖尿病で血流が悪くなると神経への栄養分などが少なくなるため神経の働きが弱ってしまうことも原因とされています。
神経障害は「神経が破壊され、機能しなくなる」症状で、糖尿病患者の3割ほどに発生します。
人間の末梢神経には感覚神経、自律神経、運動神経の三つがあります。糖尿病では感覚神経と自律神経の二つに障害を起こすため、多方面に症状が出ます。
症状には以下のようなものがあります。
神経障害の自覚症状 無自覚が特に怖い!
神経障害による症状は足に表れることが多く、「感じたり、感じなかったり」するのが特徴です。
「感じる」症状としては
しびれ ピリピリ・チクチクした痛み 足の冷え
といったものがあります。
これらは片足だけでなく両足に発症します。
しびれなどの異常を感じる場合は「何か変だな」と診察を受けることも考えられますが、怖いのは「感じなくなる」症状です。
注意すべきは足の壊疽です。
神経障害で痛みを感じなくなると、足にケガをしても気付かずに治療せず、放置してしまうこともあります。
健康なときには気にも留めないようなケガでも、糖尿病では免疫力が落ちているため、そのケガから細菌感染などが進行してしまいます。
消毒を施さないと感染が悪化し、壊死にまで至ることもあるのです。
それを防ぐための心がけ(フットケア)があるので以下に紹介します。
糖尿病で足のケガ(壊死)を防ぐための心がけ フットケア
足は日常のちょっとした動作でもケガすることがあるので、そうならないよう気をつけることをフットケアといいます。
注意するべき行動を挙げます。
・入浴時にたわしや軽石で足をこする
・海辺の砂浜や岩場を歩く
・合わない靴や下駄、サンダルなどによる靴擦れ
・湯たんぽや電気カーペットによる低温やけど
こうした行動は足を傷つける可能性があるので慎重に行いましょう。
足にお湯がかかって火傷したり、足の指を骨折しても気付かないケースもあります。
「かゆみ」も感じなくなるため、水虫が進行することもあります。
また神経障害は汗のかき方にも異常をもたらします。体の一部が全く汗をかかなくなる(あるいは多くかく)こともあるのです。
足が汗をかかなくなると皮膚が乾燥して、靴ずれなどが起きやすくなります。するとその傷口からの細菌感染リスクも高くなってしまいます。
痛覚チェック法とその他の神経障害症状
痛覚が保たれているかをチェックする方法として、楊枝や竹串を使う方法があります。
患者は目をつぶり、誰かに楊枝か竹串で足の指をつついてもらいます。とがった部分と逆の部分を用い、患者はどちらで突かれたのかを答えます。
神経に異常が無ければ100%正解が出ます。間違える場合は痛覚の低下が疑われます。
糖尿病の神経障害ではその他にも、
・下痢や便秘
・不整脈
・立ちくらみ
・勃起障害
・顔面の麻痺
など、糖尿病の進行によって様々な症状が表れます。
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