日本は「超長寿社会」になりました。毎年約3万人が100歳を迎える時代なのだそうです。
それならば、やはり元気にトシをとりたいもの。
その参考になるのは、やはり現在健康長寿を実現している人の生活習慣ではないでしょうか?
スーパー百寿者が食べているもの 飲酒する人は意外と多い?
まずはやっぱり食習慣から。
「健康・体力づくり事業財団」元常務理事の萩原隆二氏は、99年に約2千人の百寿者を調査しました。
それによると日常生活に介助を必要としない「スーパー百寿者」は、およそ20%に達していました。
そうした人たちの食生活には、以下のような特徴があります。
・一日三食欠かさない人が9割
・多くが肉類や魚介類、乳製品をほぼ毎日食べている
肉・卵・牛乳といった動物たんぱく質を豊富に摂っているのがポイントです。
一部に「摂るべきでない」意見も根強い乳製品ですが、長寿者の食習慣に含まれているケースはしばしば目にします。
また萩原氏の調査によると、百寿者男性の2割以上に飲酒の習慣があります。
しかも飲酒の習慣がある人ほど、日常生活の動作水準が高く、睡眠の質も良いことがわかっています。
最近は「飲酒はあらゆるがんのリスクを上げる」との認識も広まっています。
百寿者のみなさんはガン耐性が強く、飲酒による恩恵のみを受けられるのでしょうか?
このへんは今後の研究を待ちたいところです。
百寿者の睡眠と体型 「ちょいポチャ」が多い?実は…
高齢者は睡眠時間が短くなるイメージがありますが、100歳以上の男性の平均睡眠時間は8.9時間、女性は9.1時間でした。
かなり長めの睡眠時間ではありませんか?男女とも8割以上が「夜よく眠れる」と答えています。
萩原氏によると
比較すると、百寿者の睡眠時間は明らかに長い。いつも定時に起床する方が過半数を占めるのも大きな得色。
長寿には規則正しく、かつ十分な睡眠が必要ということです。
新潮の記事には、11時間眠る101歳の女性が紹介されています。年齢を重ねてもよく眠れるのは、長生きできる良いサインのようです。
次に体型について。
「長生きする人はちょいポチャ」なんて話もありますが、百寿者に肥満は非常に少ないそうです。
慶応大学医学部百寿者総合研究センターの新井康通講師は、2000年から2年間かけて514の百寿者を調査しました。
その結果、BMI値が25以上の肥満者は70代男性で26.3%なのに対し、百寿者の男性ではわずか7.3%に過ぎませんでした。
これに対しては、「やせ型が長寿というより、老化に伴って自然と体重が減った」という意見もありますが、新井氏によると、百寿者には若い頃から食事のバランスに気を遣い、標準体重を保ってきた人が多いそうです。
百寿者に糖尿病は少ない 大きなポイントでは
そして、おそらく最も大きなポイントがひとつ。
それは
糖尿病の有病率です。
新井氏の調査では、糖尿病を患っていた百寿者は6%だけ。70代以上は14.7%なので、その差は歴然です。
百歳まで生きるには、糖尿病は禁物
と言えそうです。
糖尿病が腎不全や脳梗塞、心筋梗塞など、重篤な症状をひき起こすのはもはや言うまでもありません。
糖尿病になったら長生きは極めて難しくなるでしょう。
どんな運動をやっている?何でもOKだが注意すべき種目2つ
最後に、スポーツについて。
80歳になると、全身の筋肉量が毎年3%ずつ減少していきます。特に、速筋の衰えが顕著になります。
なので、何らかの運動を実践して筋力維持につとめる必要があります。
基本的に自分の好みの運動で良く、新潮の記事にも93歳で陸上競技を始め、マスターズ大会で23個の金メダルを獲得した山下外子さん(現在101歳)が紹介されています。
一方で、「ちょっと注意するべき」として挙げてあるスポーツがあります。
それは
登山とゴルフ
です。
年をとるとバランス感覚が鈍ってきます。バランス能力はどんなに鍛えても、個人差なしに低下していきます。
そのため、急勾配の登山は、転倒事故につながりやすいのです。脚の骨折などの大けがは、そのまま寝たきりの原因になりかねません。
中高年に人気の登山ですが、負荷や登る難易度は気をつける必要がありそうです。
そしてゴルフは、長い距離を歩く点は良いのですが、前傾姿勢の時間が長く、かつクラブを振る際に体をひねるので腰を傷めやすいのがネックです。
年配の方でも楽しめるゴルフですが、腰痛には注意しましょう。
長寿に結びつくスポーツとは?
記事では「長寿に結びつくスポーツ」も挙げてあります。
新潮の記事で勧めてあるのは
水泳
です。
・浮力のおかげで関節への負担が少ない
・血液循環の促進で脳の活性化および動脈硬化予防が期待できる
といった理由ですね。
80歳から水泳を始めて、95歳で世界記録を樹立した女性もいます。
いかがでしょうか?
ご長寿関連の話題を続けているので、「健康で長生きするには何がおすすめか?」のイメージが何となくつかめているのではないでしょうか。
今後も、このトピックで新しい話題があったらお知らせします。
(このコンテンツは雑誌「週刊新潮」2014年6/5号(Amazon)28~31ページを参考にしました