国内の水虫患者は、06年の推定で約2500万人に達します。
 
この半数近い約1200万人が爪白癬(爪の水虫)にかかっている可能性があるので、国民の約十人に一人がかかっている計算になります。

60歳以上の40%が感染しており、足の水虫歴10年以上という人も85%いるとの報告もあります。
 

 
このコンテンツでは、水虫の治し方などについてまとめています。

水虫の症状と原因・白癬菌 リミットは24時間以内

水虫の原因となる白癬菌はカビの一種なのであらゆるところに存在します。
 
高温でじめじめした環境を好み、25~35度で活発に活動します。皮膚の角質や爪などのえさがあり、湿度はほとんど100%の靴の中はまさに白癬菌の格好の住みかといえます。
 
白癬菌が皮膚についても角質の奥に侵入するまで24時間かかります。
 
足などに菌が付着しても、すぐに洗い流すなどすれば感染は防げるわけです。
 
足の水虫には、爪にできる爪水虫、指の間にできる指間型、土踏まずにできる小水疱型、かかとの角質増殖型など様々な種類があり、症状としては
 
・爪が白くにごり厚くなる
・足の裏に水疱ができてかゆい
・指の間がふやけたようになってかゆい

 
といったものがあります。
 
まれに足の裏の皮膚が厚くなり、かさかさするもののかゆみはない、という症状もあります。
 

 
糖尿病の人、足の指が開いていない人、家族に水虫がいる人などは水虫になりやすいとされています。水虫患者がいる家庭ではスリッパを共用するのはやめましょう。

水虫を予防する ブーツや靴を乾燥 マットは注意

水虫の予防でまず意識すべきなのは、同じ靴を履き続けないことです。
 
一度履いた靴は中を十分に乾燥させましょう。同じ靴を毎日履き続けず、三足くらいを交代で履くと、靴が乾燥します。
 
可能なら、夏の職場ではサンダルやメッシュの靴に履きかえられれば理想的です。
 
ブーツは1日履いたら除菌・消臭スプレーをかけて翌日は乾燥させる、を徹底すれば水虫は予防できます。
 
帰宅したら入浴の際に足も念入りに洗わなくてはいけません。薬用石鹸などを使う必要はなく、風呂に入った時に足の裏や指の間を洗い、水分をふき取ってよく乾かせばOKです。
 
軽石はこすりすぎで皮膚を傷つけるリスクがあるので、使わないようにしましょう。
 
温泉やスポーツクラブの足拭きマット、水虫患者がいる家庭では風呂場のマットやじゅうたんは要注意です。これらを介して水虫に感染してしまう可能性があります。
 
家庭ではマットを乾燥したものにまめに取り替え、スリッパを共有しないことなどを心がけましょう。温泉やスポーツクラブでは、洗った足をよく拭いて乾燥させれば、菌は落ちます。
 
靴下を履く前に乾かすのを忘れずに。
 
たとえ菌が付着しても、一日一回足をよく洗えば感染は防げます。
 

女子の水虫は恥ずかしい?男女比は

水虫は男性がかかるもの、というイメージがありますが、ブーツの流行や、働く女性が増えたことから、性差はほとんど無くなっています。つまり男女比はほぼ同じなのです。
 
女性の場合、「水虫は恥ずかしい」という意識がありますが、疑わしい人は一度皮膚科専門医の診察を受けましょう。
 
ある調査によると働く女性の25.4%は水虫だと思ったことがあり、11.1%は実際に水虫と診断されています。
 
言い換えるなら、水虫だと思っている患者の約半分は水虫ではなく、他の皮膚病ということです。外見だけで水虫と診断するのはかなり困難なのです。
 
自分の思い込みで水虫薬などをつけても治りません。湿疹、かぶれ、細菌感染症がある場合、いきなり水虫薬を使うと悪化させてしまうこともあります。
 
こういった勘違いを防ぐためにも、気になったら専門医の診察を受けましょう。皮膚科での診断では皮膚や爪の一部を顕微鏡で見て、水虫の菌があるかどうか調べます。所要時間は5分ほどです。

水虫の治療 民間療法は効かない?酢やタバコ・にんにく

水虫治療には、いくつかの民間療法があります。
 
ちょっと調べてみると・・・

・足を酢につける
・日本茶の葉っぱをつける
・タバコの吸殻をほぐしてつける
・にんにくをすりおろして患部につける

 
・・・などがあります。
 
民間療法については評価が割れていて、「効果がない」とする資料もあれば、「完治した」との主張もあります。
 
私の印象としては、「効果なし」と否定する説のほうが多いようです。
 
ちなみに、管理人の父親は水虫でしたが、足を酢につける民間療法で治してしまいました。
 
それもふまえて、私が民間療法に対してどう考えているかというと、
 
個人的には民間療法はあまりおすすめしません。
 
それなりに根拠があることとは思うのですが、あくまで参考程度にとどめておくのがいいのではないでしょうか。
 
水虫には内服薬や塗布薬などの治療法が確立されており、下で紹介しているように必ず完治します。水虫歴の長さは関係ありません。
 
根気は必要ですが、民間療法をあえて選択する理由は無いでしょう。

塗布薬・内服薬で水虫は必ず完治!

水虫は治りにくいという印象がありますが、正しく治療すれば必ず完治します
 
水虫患者の半数は湿疹、かぶれ、細菌感染症も同時に引き起こしています。これらの病気を治した上で水虫を治療します。
 

 
まずは外用ステロイド薬や抗生物質で治療し、その後塗り薬などの外用薬を3ヶ月ほど使用します。爪の水虫の場合、内服薬を3ヶ月から半年服用するのが主な治療法です。
 
乾燥して寒くなる冬期は白癬菌の活動が衰えるため、いったん症状が改善します。そこで油断して治療をやめてはいけません。