脚のむくみは女性に多く、特に立っている時間が長いと「パンパンになってしまう」「ブーツが脱げない」ほど悪化することがあります。
 
プロ野球でのフィジカルコーチの経験もある、理学療法士の山口光國さんは「女性のむくみを防ぐためのポイント」をいくつか指摘しています。
 
まず、山口さんによると「現代の女性は歩き方に問題がある」そうです。

山口さんが特に問題視している歩き方とは
 
・脚を引きずって歩く
・ガニ股で歩く

 
の二点で、これらの歩き方では地面を蹴ることができず、筋肉が働かないのです。
 
地面を蹴らない歩き方を続けていると筋力がいつまでも強くならず、血液・リンパの流れは良くなりません。つまり、むくみも全く改善されないわけです。
 
脚の筋力を上げてむくみを防止するには地面を蹴って歩くよう心がける必要があります。
 
むくみを改善するためのマッサージ法として、山口さんは
 
「手のひらでふくらはぎを押し、左右にブルブルと10秒間揺らす」
 
だけでも効果的としています。
 
この動作で筋肉をゆるめた後、軽くさするとむくみはグッと軽くなります。
 
むくみ対策には脚、特にふくらはぎの筋力強化がポイントです。
 
立った状態からかかとを上げ下げする「カーフレイズ」のトレーニングはむくみ防止に効果的です。

むくみ対策のツボ三陰交

脚の内側、くるぶしの少し上に「三陰交」というツボがあります。
 
三陰交は太陰脾経、少陰腎経、厥陰肝経という三つの経絡が交わっている場所で、ここを刺激すると体液の流れが促進されます。
 
そのため三陰交は足のむくみや冷房による身体の冷え対策のツボとして挙げられます。
 
三陰交は内側くるぶしが一番高く盛り上がったところから指四本上、脛の骨の後ろ側にあります。
 
このツボは生理痛や生理不順など、女性の体調不良にも効果があり、安産を助けるツボとしても知られています。
 
妊娠を助ける、陣痛を促す、逆子に効く、といった効果も期待できるそうです。
 
ただし、「妊婦が安定期に入っていないと流産の危険性が高まる」とする説もあるので一応頭に入れておいてください。

むくみ 病気が原因の可能性も

むくみの一番の原因は脚の筋肉不足、筋力低下ですが、まれに病気が原因になっているケースもあります。
 
それは、腎臓の不調です。(ちなみにむくみは肝臓や心臓の不調でも発生します)
 
体内の水分を処理し、尿として排出させる働きを持つ腎臓の機能が落ちると体内に水分が溜まってしまいます。
 
その結果、
 
・脚を指で10秒ほど押して離すとしばらく跡が消えない
・靴下の跡が消えない
・尿の量が減る
・飲んだ量より、明らかに尿の量が少ない
・体重が急に増加する

 
といった症状が起きるのです。
 

この時点で治療すればそれほど深刻なことにはなりませんが、腎臓病を放置し、悪化させると尿毒症といった非常に危険な症状を引き起こします。
 
腎臓病は高血圧、暴飲暴食、慢性疲労、糖尿病、痛風などが原因で発症します。
 
腎臓の機能が失われてしまうと人工透析が必要になり、生活の質が著しく損なわれることになります。食事制限も厳しくなるため負担が非常に重くなるのです。
 
「たかがむくみ」と軽く考えず、あまりに症状がひどい場合は医師の診察を受けましょう。