女性にっこり乳がん月間の10月ももうすぐ終わりますが、乳がん検診関連の話題をお知らせします。
 
マンモグラフィーと超音波検査の違いです。

それぞれ一長一短があります。

マンモグラフィー検査の特徴や注意点

まずはマンモグラフィーから。
 
◆乳房をX線で調べる方法で、乳房をプラスチック板で挟み、平たくした状態で撮影する
 
◆上下方向と左右方向から挟み、圧迫時間は数十秒で、検査時間は10分程度
 
◆触診や目視ではわからないしこりや、石灰化した小さな乳がんの発見も可能
 
◆注意点は以下のとおり
・乳房を挟むため、痛みを感じることがある(下に記事を作成しています) 
・乳腺が発達している場合、乳がんを発見しにくい場合がある
・ごくわずかながら被ばくがある
・妊娠している女性は不可
・授乳中の場合、授乳が一段落ついてから検査する

エコー検査の特徴やメリット・注意点

次にエコー検査について
 
◆超音波検査とも呼ばれ、超音波で乳房の断面を映し出す検査(胎児の様子を見る検査と原理は同じ)
 
◆乳房にゼリーを塗り、プローブという装置を接触させて検査する 痛みは全く無い
 
◆授乳中および乳腺が発達していてもOK 小さなしこり(腫瘤)も発見できる
 
◆放射線を使わないので、妊娠していても検査が可能 また、繰り返し検査が可能
 
◆検査時間は15分ほどで、最新機器ではしこりの硬さも判別できる
 
◆注意点は以下のとおり
・早期の石灰化を判別しにくい
 
上で挙げたように、マンモグラフィ検査は痛みがある欠点があります。それについて補足を。

マンモグラフィ検診で痛みを少なくするコツ

(ちょっと昔の話ですが)08年10月の終わりごろ、熊本のローカルテレビで乳がん検査についての特集をやっていました。
 
その番組を見てわかったことがあります。
 
乳がん検査には、女性に二の足を踏ませる要素があったんですね・・・。
 
乳がんのマンモグラフィ検診では、乳房を板でギュッと挟んだ後、X線撮影します。
 
乳房が挟まれる時、人によってはものすごい痛みを感じることがあるのだそうです。あまりの痛さに「二度と行きたくない」と思う人もいるのだとか。
 
(男の私が見てもあれって痛くないのかな?とは思っていましたが・・・)
 
女性が痛みを感じるかどうかは撮影を行う技師の技量によるところも大きいようです。
 
このサイトでは「乳がん検診を受ける人が少ない云々」といったことを書きましたが、「マンモグラフィは痛い」という風評があると、受診者が増えないのも 無理からぬことです。
 
冒頭のテレビ番組では、少しでも痛くない方法はないものか?という専門家の解説がありました。
 
それによると
 
マンモグラフィ検診を受けるなら生理が終わって3~7日後が最適
 
なのだそうです。
 
この期間が痛みを感じることが最も少ないのです。
 
また番組では、普段の生活で乳房に痛みを感じることと、乳がんの関連性はあまり無い、とも解説されていました。「乳房痛」がガンであったケースは5%ほどなのだそうです。
 
「胸に痛みを感じる→乳がんでは?」と過度に心配する必要は無いと言えそうですが、検診を受けておくと安心なのは間違いありません。
 
痛みを全く感じなくてもがんが発生している可能性もあるわけで、痛みを感じて受診したら、反対側の痛くない乳房にガンが見つかったという例もあるそうです。
 
「痛そう」と聞くと二の足を踏むのはわかりますが、それでもとりあえず一度はマンモグラフィ検診を受けたほうが良いのではないでしょうか?
 
一年に一度は受診するのが理想的なのですが、あまりに痛いようならイヤになるのもムリもありませんが・・・。難しいところです。
 
さらに進化した診察法などが発明されないでしょうか?

乳がんのセルフチェック方法 目視・触診

乳がんのチェックと言えば、マンモグラフィや超音波検診がすぐ連想されます。
 
これらの検査で異常が発見されなければ、とりあえず安心できるのですが、それに加えて定期的に自己チェックを行えば、早期発見できる可能性はさらに高くなります。
 
「定期的に」と言っても、月に一度程度(推奨)なので、それほど面倒ではありません。
 
具体的なやり方を紹介します。
 
鏡の前で腕を高く上げます。手を頭の後ろで組んでも良いでしょう。
 
◆乳房を目視でチェックします
・乳房の形の変化(くぼみやひきつれ) 
・乳輪の変化 
・乳頭の変化
 
などはありませんか? 
 
 
◆触ってチェックします
石鹸などをつけて10円玉大の「の」の字を書くように指を動かします。
 
・左右のわきの下から乳首まで触ってみて、しこりや硬い部分はありませんか
・乳房や乳首を絞ってみて、分泌物はありませんか
 
しこりや硬い部分があっても、がんではないことが多いのですが、念のため検査を受けましょう。
 
 
月始めなど日を決めて、セルフチェックを続けていれば、触診にも慣れてきます。すると、異常の発見がより容易になります。
 
住んでいる地域ピンクリボンのイベントが開かれていたら積極的に参加してみましょう。乳がんへの理解が深まるはずです。
 
乳がんは早期発見できればそれほど怖い病気ではありません。
 
医療機関での検診と共に、お風呂に入るついでなどでの自己チェックを習慣にすると、仮に乳がんになっても最小限の対応で済ませることができます。

乳がん検診の新兵器 PEMとは

MSN産経ニュースに、痛みを伴わず、しかも検査精度の高い「PEM」という診断法の記事がありました。
 
乳がん診断に「新兵器」 高い発見能力の「PEM」
sankei.jp.msn.com/life/news/110422/bdy11042207580001-n1.htm
(現在この記事は削除されています)
 
この記事を参考に、PEMの特徴をまとめます。

・PEMは、すでに普及している陽電子放射断層撮影検査(PET)の技術を応用した方法である
 
がん細胞に多く取り込まれる性質の放射性検査薬を体内に注入すると、検査薬ががん細胞に集まる。検査薬から出る放射線の場所が、すなわちがん細胞の位置として特定できる。このPET検査の原理を、PEMでは乳房専用に行う
 
・PEMでは、放射線検出器を胸に当てて撮像するため、撮影範囲も広く、画像も明瞭になる
 
・検査にかかる時間は片側の乳房につき40分程度 マンモグラフィーのような痛みはない
 
・PEM検査は、まだごく一部のクリニックでしか行われていないが、痛みを伴わず、診断精度も高いと考えられるので、今後の普及が望まれる

 
診断を受ける女性への負担が少なく、しかも検査精度が高いとあれば、一日も早く普及して欲しいものです。