ランニングと腹筋は、一見すると無関係に思えますが、実はかなり密接なつながりがあります。
腹筋を使うことでフォームも良くなり、記録も伸びるそうです。
雑誌「ランナーズ」から、お腹を使った走りについて紹介します。
(このコンテンツは、雑誌ランナーズ 2013年10月号(Amazon)を参考にしています)
高橋尚子さんのバキバキ腹筋 武田真治さんも 走りとの関連
突然ですが、女子マラソンのQちゃんこと高橋尚子さんの腹筋を見たことあります?
ガッツリ割れてるんですよ。現役時代の高橋さんは腹筋運動を500回やっていたそうです。
※イメージです
以前発行した私のメルマガでも、武田真治さんが週二回の15kmマラソンで腹筋が割れた件を紹介しています。
興味深いのは、武田さんは腹筋運動はしていないそうです。
それでも腹筋が割れるのは、長距離のランニングでは腹筋が使われていると考えて問題ないでしょう。
ということは、腹筋の上手い使い方というのもあるはず。上手く使えれば、記録も伸びます。
「ランナーズ」の記事から一部を抜粋して紹介します。
砂田貴裕コーチ解説 お腹で走るコツと練習法
100kmウルトラマラソンの世界記録保持者で、クラブランナーズに所属する砂田貴裕ヘッドコーチによると、
「実際に走りながらお腹を意識することは、思っているほど難しくはない」
そうで、お腹を意識すると自然な前傾姿勢を保ち、重心をしっかり乗せた効率のよい走りができるようになるそうです。
タイムが改善するだけでなく、着地のたびに腹筋に刺激が入るのでお腹も引き締まります。
砂田コーチは現役引退後、ポッコリお腹になってしまった時期があります。
体重も75kgまで増えましたが、お腹を意識した走りを継続し、いまでは現役時代と同じ56kgまで減量できました。お腹もスッキリ引き締まっています。
お腹を意識すると、ランニングにどんな作用があるのでしょうか?「ランナーズ」に寄せられている一般ランナーのコメントで主なものを挙げます。
「大きなストライドで走れるようになった ハムストリングスに効いている」
「上り坂でも自然に脚を蹴り出せるようになった」
「最後まで腰がブレずに骨盤が安定していた」
「腹筋を意識すると全身を使っている感覚がある」
「いつもりより太ももの疲労感が軽い」
また、雑誌の編集部員さんはこんなコメントをしています。
「脚の運びが軽く感じられた」
「上りではみぞおち付近を、下りでは下腹部あたりを意識するとしっくりくる」
砂田コーチが勧める、お腹を意識した走りの練習法は以下のとおりです。
2 この時、拇指球に体重を乗せるよう意識して、腹筋に力を入れる
3 この状態を保ち、クックッと体重をかけながらお腹に力を入れる(これだけでも、かなり腹筋を使えている)
4 以上の状態から重心を前方に移動させ、片脚で立つ
5 このとき、骨盤がブレないようにお腹に力を入れ、しっかり重心を置く
6 ここまでを片脚ずつ交互にリズムよく行う 1回ごとにお腹を意識する
7 あごはひいて、目線は50mほど先に置き、足元は見ない
「ふと気付いた時に行うくらい習慣化」できれば、全身を使った走りに近づきます。
腹筋をバネのように使って走る 瀧澤一騎コーチの練習法
北海道大学准教授でランニングのコーチでもある瀧澤一騎さんは、腹筋を「バネ」のように使って推進力を得る走りを提唱しています。
ランニング動作での身体の役割を車に例えて「腹筋はエンジン ふくらはぎがタイヤ 太ももはサスペンション」としています。
「腹筋の力を上手に活かせるようになれば、同じ頑張り度でも飛躍的にスピードを上げられる」のだとか。
腹筋が弱いと効率的よく前進できるフォームを長時間維持できなくなります。
市民マラソンのレース終盤、胸やアゴがそり上がってひざが上がっていなかったり、猫背で膝下の力だけでチョコチョコと走るランナーが増えるのはそのためです。
瀧澤准教授は、腹を意識する方法として「筋肉を硬くし続ける」やり方は、「無意味とは言いませんが、最適ではない」としています。
腹筋は一歩ごとに硬い→軟らかいを繰り返していて、この収縮の連続動作によってパワーが発揮されるからです。
腹筋の収縮と、走る動作を連動させることが腹のバネを駆使した走り、ということになります。
瀧澤教授が腹のバネを意識するために行う「腹バネ・ジャンプ」のやり方を紹介します。
2 着地して飛ぶ瞬間、腹筋が硬くなっていることを意識します。足首の動きに頼って飛ばないよう気をつけます。足首が直角以上に開いてはダメです。
3 走る前にこのジャンプを10~20回繰り返し、飛ぶごとに腹筋に負荷がかかっている感覚があればOKです。
私はランニングを真面目にやったことはありませんが、腹筋を意識すると走りが改善するのは、
グラグラと不安定な上体を前に運ぶよりも、棒のようにブレない上体を運ぶほうがラク
だからではないでしょうか?
あくまで素人考えです。
腹から首にかけてフラフラするよりも、ビシッと固定されていたほうが安定して前進できるのは想像に難くありません。
現在は各地でご当地マラソンが開催され、市民ランナーも増加しています。
「タイムを縮めたい」と考えるランナーは、お腹を意識した走りを試してみてはいかがでしょうか。
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