横浜ベイスターズに入団した横浜高校のスラッガー、筒香(つつごう)嘉智選手は、練習で筋力トレーニングはほとんど行ってこなかったそうです。
 
代わりに素振りなどを徹底して行い、ナチュラルな力をつけるように意識してきました。
(このエントリーは2010年1月16日付の九州スポーツ新聞を参考に作成しています)

こうした方針は中学生の頃から続けてきました。
 
その成果が発揮されたのか、プロ入団後の新人合同トレーニングでは、筒香選手のスイングを見たチームの首脳が驚きの声を上げました。
 
塚原コンディショニングコーチは

「力の伝達が本当に滑らかなんだよ。例えばバットを振る動きでも、体幹から出た力が腕の先へスムーズに伝わっていく。
 
ベテランならともかく、ルーキーでこういう動きができる選手はなかなかいないと思うよ。
 
ウェートをあまりやらず、動きの中で鍛えたからでしょう。ボールを飛ばしたい一心で、腕などをガンガン鍛えてしまった選手だとああいう動きはできない」

と語っています。
 
ただしそこは高校生、さすがに「股関節の動きが硬いので、可動域を広げるよう意識した方が良い」という課題もあるようです。
 
これは言い換えれば「さらに伸びる余地がある」わけで、筒香選手が有望な選手であることに変わりはありません。
 
私はメルマガで「野球選手でバルクのある筋肉をつけてる人がいるけど、果たしてそれがパフォーマンスの向上に結び付いてるのかな?」といったことを書いたことがあります。
 
筋トレをほとんど行わなかった筒香選手のスイングは非常に洗練されていて、球団も「パワーアップ目的の筋トレは禁止」という方針だといったことを聞くと、「野球に筋トレは必ずしも必要ではないのかも」という気がしてきます。