イカはかつてコレステロールが多い食品として紹介されていましたが、実際にはそれほど多くないことがわかっています。
それよりもイカに多く含まれているタウリンの有効性が注目されるようになっています。
栄養ドリンクなどによく含まれている、おなじみの成分ですね。
タウリンの効果や特徴
タウリンはアミノ酸の一種で、植物以外であればほぼ全ての生物の体内に存在しています。
人間にとっても非常に重要な栄養素で、脳・心臓・肺・肝臓・骨など体中の組織を維持するのに不可欠な栄養素です。
タウリンの主な役割には、肝臓機能を強くする、心臓の筋肉や血管組織を守るといったものがあります。
またタウリンにはコレステロールの代謝を促し、血液中などのコレステロール値を下げる作用もあります。
人体はたんぱく質を原料にして必要なタウリンを合成することができます。
普段からバランスの良い食事を心がけていれば、タウリンが不足する心配はあまりありません。
仮にタウリンを多量に摂取したとしても、過剰摂取による害などはなく、尿により排出されます。
タウリンというと「疲労回復」というイメージがあり、栄養ドリンクなどにも配合されています。
しかし実際のところ、マウスでの実験では疲労回復効果が認められていますが人体ではこの効果を裏付ける実証はありません。
ただし肝機能を強化する作用などが副次的に疲労回復効果をもたらすことは十分に考えられます。
タウリンを多く含む食品
タウリンはイカなど魚貝類に多く含まれています。
主な食品は次のとおりです。(100gあたり)
・カキ 1130mg
・ハマグリ 1080mg
・タコ 830mg
・イカ 770mg
・アサリ 380mg
イカ墨にはメラニンも含まれています。メラニンは紫外線をブロックする作用があるアミノ酸として知られていますが、同時に抗がん作用もあることが知られています。
さらに最近ではエイズウイルスを抑える効果があるのではないかと期待されています。