元宇宙飛行士で現在は日本科学未来館館長の毛利衛さんは、以前は食への関心が非常に低かったそうです。
(このコンテンツは2010年に作成しています)
 
「栄養が補給できれば、錠剤ひとつで食事を済ませたい」と考えていた時もあるほどです。
 
しかし還暦を過ぎてからは「健康に良いもの」を意識するようになりました。

「野菜の多い食事をとると、ジョギングでも長い距離を走りきることができる」という経験もしています。
 
毛利さんは身体が疲れると梅干しをよく食べるそうです。
 
梅干しが疲労を軽減させる効果については最近報道がありました。
 
和歌山県とサッポロ飲料、そして近畿大学生物理工学部が共同で、梅酢とクエン酸がマウスの運動量に及ぼす効果を調査しています。
 
梅酢成分かクエン酸、あるいはその両方をマウスに与え、水槽で泳がせてその運動量を計る実験を行ったのです。
 
その結果、梅酢成分だけ、もしくはクエン酸だけの場合でもネズミが泳ぐ時間が約1割増加しました。
 
両方を与えた場合だと、遊泳時間が2割以上も増えたのです。
 
「身体が疲れた時には梅干し」とはよく耳にしますし、毛利さんはじめ実践している人も多いのではないでしょうか。
 
今回の実験結果は梅干しの効果を裏付けていると言えます。

毛利衛さんのアメリカ生活とコレステロール

以前読んだ「短命の食事長命の食事 丸元淑生 著」の中に、宇宙飛行士の毛利衛さんの食事について紹介されていました。
 
日本経済新聞(05年12月19日付)のインタビュー記事からの引用で、なかなか示唆に富んでいます。
 
そこで、ちょっと長くなりますがここで引用させて頂きます。

宇宙飛行士になるまではいいかげんな生活を送り、健康管理をしていなかった。
 
米航空宇宙局(NASA)の医学検査は厳しく、1年に1度の定期検診で基準を満たさなければ宇宙に出られなくなる。
 
日本にいたころは良かったが、1987年に米国に移ってからコレステロール値が急激に増えた。
 
渡米後の初検査で日本では日本では全く問題なかったコレステロール値が199になった。
 
200以上が黄色信号、210以上がオレンジ、220以上だと宇宙へフライトできなくなるのがNASAの基準。毎日、好物のステーキとワインをとっていたのが原因だった。
 
調べてみると、米国の飛行士はほとんど肉を食べない。そこで肉をやめて魚にした。
 
訓練を受けた米アラバマ州ハンツビルはナマズの料理が有名。そのフライなどを食べていたが、1年後の健診では値は200を超す結果だった。
 
ジムに通って運動を一生懸命やり、やせていたにもかかわらず数値は下がらなかった。
 
「そんなばかなことをしているのか」。悩んで米国の飛行士に相談するとあきれられた。
 
原因は揚げ物に使う油。
 
NASAの栄養士は「和食を食べればいい」というが、ハンツビルでは和食の食材が買えない。全く役に立たないアドバイスだった。
 
仕方なく自分で調べたところ、メキシコ料理にたどり着いた。豆やトウモロコシが多く数値を抑えるのに非常に役立った。

もし私がNASAの飛行士なら、最近は常に黄色信号です (ToT)
 
でも、以前このブログに書いたように、最近は「コレステロールはちょっと高めの方が良い」という主張をよく目にするんですよね。
 
だからといって、あまりに高すぎても生活習慣病のリスクが上がってしまいます。このへんは今後の研究結果に注目したいところです。
 
ちなみに私は、200前後くらいの値をキープしようかな、といまのところ考えています。