人気テレビ番組「料理の鉄人」の審査員として「料理記者歴40年」と紹介されていた岸朝子さんは2015年の9月に91歳でお亡くなりになっています。
 
私も「料理の鉄人」は大好きだったので、岸さんはよく拝見していました。

和食
 
かつて「料理記者として最も大事なことは?」と問われた岸さんは、
 
「自分で料理を作れること」
 
と答えたそうです。

「料理記者ではなくても、誰だって料理を作れることは大事。料理を学ぶことは、生きる術を身につけるということですから」

戦後の食糧難の中、結婚して主婦となった岸さんも、限られた食材をやりくりして毎日の食事を作っていました。
 
小麦粉が手に入ったら、当時珍しかったシュークリームを焼いたりしたそうです。
 
これが評判になり、ご近所の結婚式で作るよう頼まれ、皮を紅白にしたシュークリームを出したことも。
 
88歳で受けた健康診断でも「全く問題なし」だった岸さんは「美味しく食べて健康長寿」がモットーでした。
 
とはいえ、好きなものを好きなだけ食べて良い、と考えているわけではありません。
 
・今日食べすぎたら翌日は少し控える
・昼食で野菜が足りなかったら、夕食は野菜を多めにする

 
という工夫で帳尻を合わせます。
 

 
昔から食事では
 
肉1 魚1 野菜と果物で5
 
のバランスを意識していて、そのおかげか食べ歩きもお酒も大好きなのに太りすぎたことがありません。

基本さえ守れば健康も体重も維持できるのですよ。自分の頭で病気にならない食事を考え、自分の口に入れるものに責任を持つ。そういう意識を皆さんに伝えていきたいのです。

ちなみに「鉄人」でおなじみとなった「美味しゅうございます」のフレーズは、岸さんによると「私のような大正生まれの人間であれば、普通に使う言葉」なのだとか。
 
いまどきの「うめぇ」「ヤバい」なんて言葉を使うと、親から叩き出されたそうです。
 
雑誌からだにいいこと 2012年7月号124~127ページを参考にしました。