「健康のために水を一日2リットル(あるいは3リットル)飲みましょう」という話はよく聞きます。
 
以前発行していたメルマガでも「寒い時期でも、ある程度は意識して水分を摂った方が良いのではないか」といったことを書きました。
 
一方で個人的には「健康のために水をたくさん飲む必要はあるのか?」という考えも少なからずあります。

「2リットルや3リットルなど、わざわざ目標を決めて、無理に飲むことはない」という意識も強いのです。
 
ちょっと昔の話ですが、ダイエットのアドバイスとして栄養士から「水を2~3リットル飲むように」と言われたイギリスの女性が、水を飲み過ぎてナトリウム欠乏症になってしまった、という報道がありました。
 
ナトリウム欠乏症の症状が重かったため、この女性は脳に回復不能なほどのダメージを受け、言語能力などに障害が残ってしまったそうです。
 
彼女は訴訟を起こし、7年の裁判の末、およそ1700万円の賠償金を勝ち取っています。
 
水を飲む根拠として多く挙げられるのは「老廃物を排出する」ではないでしょうか。
 
その主旨はわかるのですが、同時にナトリウムなどの栄養素も出ていってしまうはずです。その極端な例が、先のイギリスの女性と言えます。
 
こう考えると、水を飲む行為が、「毒素を出す」と「ミネラルなどの栄養素も出してしまう」のどちらの作用がより強いのかが問題になってきます。
 
ただし、こうしたことを調べるのは非常に困難であり、また追求する必要もあまり無いでしょう。
 
なので、スタンスとしては・・・
 
「朝起きたらとりあえず飲む」
「飲みたくなったら飲む」
「ムリには飲まない」
「空気が乾燥していたら飲む」

 
くらいで良いのではないかと。
 
「今日は2リットル飲んでない!これはマズい!」などと気にする必要はないでしょう。
 
もちろん、気温の高い日やスポーツなどで大量に汗をかくなら、水分補給が必須なのはいうまでもありません。
 
そんな時はミネラル成分の入った水分を補給しましょう。
 
ちょっと薄めのスポーツ飲料が良いのではないでしょうか。

水を飲んでも意味なし?米国の研究

「水を意識して飲みましょう」という健康法は非常に良く知られており、多くの人に実践されています。
 
私もホドホドに意識して飲むようにしています。
 
しかし、米ペンシルバニア大学のゴールドファーブ博士が過去の試験や文献を検証した結果、
 
「水は腎臓の機能を高めることは確かだが、そのことが健康につながる根拠は無い」
 
という結論が出ました。
(「アメリカ腎症学会」誌08年4月号に掲載されました)
 
アメリカでは、水をたくさん飲むと
 
・毒素が排出される
・肌のツヤを良くする
・空腹感を軽くする
・頭痛を治す

 
という効果があると考えられてきました。(日本とは微妙に違うようですが)
 
しかしゴールドファーブ博士はこれらを「いずれも言い伝えに過ぎない」と一刀両断しています。
 
私としては、ついに出ました、という感じです。
 
健康情報につきものの反対意見が、この水飲み健康法にも出ましたよ。
 
とはいえ、「水をたくさん飲むと有害」というわけではありませんからそれほど気にする必要は無いのでは?
 
あくまで「ホドホドに飲む」というのがポイントではないかと。
 
私も水分をとるペースを落とすつもりはありません。
 
当サイトで紹介している有名人の健康関連話でも「水を飲むようになって体調が良くなった」というエピソードばかりです。