当サイトでよく読まれている記事のひとつに、「子供がスポーツを始める年齢」コンテンツがあります。
 
いまでは、小学生くらいからスポーツを始めるのは当たり前になっていて、特に将来プロを目指すといったケースでは、子供から練習を始めるのは必須といえるかもしれません。
 
野球、サッカー、ゴルフ、テニスなど著名なスポーツ選手は、いずれも幼少期から競技を始めていますしね。

しかしスポーツを始めたはいいものの、なかなか思うようにいかない、上達しないといったケースは多いはず。
 
場合によっては親御さんのほうが熱が入り過ぎて、「なんでできないの!」と感情的になってしまうなんてこともあるでしょう。
 
それは、果たして正しい対応なのでしょうか?
 
うまくいかないジュニア選手にどう接するか、そのヒントになりそうな記事が、雑誌「バドミントンマガジン」の2016年7月号にありました。
 
バドミントン指導の名門・浪岡ジュニアバドミントンクラブの奈良岡浩監督と、舛田圭太バドミントンナショナルコーチの対談記事です。
 
その中で奈良岡監督が、ある指導者から「空振りしてしまうジュニア選手にはどう指導されますか?」と質問された際のエピソードを語られています。
 
一部を抜粋して紹介します。

奈良岡 私を含めて、指導者は悩みが尽きません。
 
以前、小学1年生が打っているのを見ていたら、ある指導者の方に話しかけられたんです。お子さんが1年生でやっているんだけど、シャトルがラケットに当たらないというんですね。
 
「なんで当たらないんでしょう?」と聞かれたので、「当てることを重視して考えていませんか?」と聞き返しました。
 
――― そうなんですか。それでなんと伝えたのですか?
 
奈良岡 そのうえで、「1年生なら当たらなくても構わない。それよりも全力で空振りさせて、10球に1球でもいい感じのものがあれば『それだよ』と伝えて、いい方向にもっていけばいいのでは」といいました。
 
いまは道具もよくなって、やれる環境も増えている。そのなかで何を教えるかですよね。舛田さんもおっしゃったように、最初から完璧を求めても、うまくいかないと思います。

バドミントンに限らず、他の競技の指導の際にも参考になるエピソードではないでしょうか。
 
・ラケットにシャトルが当たらない
・バットやクラブにボールが当たらない
・キックを空振りしてしまう
 
など、幼少期にスポーツをやっても、上手くいかないのは当たり前です。
 
そこで「上手くやりなさい!当てなさい!」と叱るか、「空振りしてもいいから、思いっきり振ればいいよ」と教えるかは、指導者によって考え方が違うでしょう。
 
しかし奈良岡監督はジュニア指導の第一人者であり、多くのトップ選手を育成されています。
 
その信条や方針は「うまくできない子にどう接すればいいのかな?」と悩む親御さんや指導者にとって大きな参考になり得るのでないでしょうか。