「プチ更年期」という言葉が02年ごろからメディアでとりあげられるようになりました。
 
「体は冷えているのに顔だけほてる」
「月経が2ヶ月に1回になってしまった」
 
など、月経周期の乱れ、顔のほてり、疲れ、うつ、冷えなどの症状を訴えるものです。一見すると更年期の症状によく似ているため「プチ更年期」と呼ばれています。

しかし、医学用語として「プチ更年期」を指す言葉はありません。実際には「プチ更年期」のほとんどは本当の更年期障害ではありません。
 
本当の更年期障害とは卵巣の機能が衰え、卵巣から分泌される女性ホルモンが減ることにより起きます。
 
卵巣機能は思春期から働き始め、閉経年齢である50歳前後に寿命を終えます。更年期障害は閉経をはさんで45~55歳あたりで起こることが多いようです。
 
では、更年期障害に似た「プチ更年期」が起きる原因は何でしょうか?
 
原因は卵巣ではなく、脳にあります。卵巣の機能は正常なのですが、卵巣に女性ホルモンを出すように命令する脳(視床下部や脳下垂体)の機能がおかしくなり、女性ホルモン分泌が乱れるのです。
 
脳機能が乱れる原因は、ストレス、ダイエットによる栄養異常や過度の運動などが挙げられます。職場や結婚後の人間関係や、子育ての悩み、ペットの死もストレスのもとになります。
 
プチ更年期」の症状はまず生理不順から始まることが多いようです。月経の周期が短くなり、次に周期が長くなったり短くなったりと変化します。正常な周期は25日から38日です。
 
前後6日ほどのずれであれば問題ありませんが、無月経が3ヶ月続くなら婦人科を受診するべきでしょう。本当の更年期かどうかは、血液検査で判断します。
 
いわゆる「プチ更年期」であれば、女性ホルモン剤や排卵誘発剤などで治療が可能です。早期に治療するほど回復も早くなります。
 
日ごろから心がける対策としては、まずは決まった時間に寝起きする、きちんと食事をとる、適度な運動をするといったいわゆる「規則正しい健康的な生活」をこころがけることです。
 
ビタミンEは女性ホルモンの分泌を整えると考えられているので青魚、ナッツ類を食べると良いでしょう。月見草オイル、カモミールも月経に関連する症状に効くとされています。
 
アロマセラピー、ストレッチ、入浴など独自のリラックス法を開発するのも良いでしょう。