女性にっこり歌手の森昌子さんは47歳で芸能界に復帰しました。
 
しかし森さんはちょうどその頃更年期に差し掛かっていて、更年期障害がひどかったそうです。
 
持病の貧血が極度に悪化して倒れることもあり、異常出血も頻繁に起きました。

婦人科で検査を受けると、子宮に大小様々な筋腫がなんと50個も見つかりました。これが出血の原因だったのです。
 
(このコンテンツはきょうの健康2014年3月号103~105ページを参考にしています)
 
医師
 
しかしもっと深刻な事態が判明します。
 
初期の子宮頚がんが見つかるのです。
 
医師は子宮全摘手術を勧めますが、森さんは決心がつきません。
 
ショックでうつ状態になり、仕事では笑顔を見せていても、自宅ではその反動でドーンと落ち込む、をくり返していました。
 
手術を受けるべきか悩んでいた期間、森さんは
 
精神安定剤 睡眠導入剤 ホルモンバランスを整える薬
 
など、多い時には10種類ほどの薬を飲んでいて、その副作用で顔や全身にひどい湿疹ができてしまいました。
 
メークをしても湿疹が目立ち、テレビを見た森さんのファンが「大丈夫か?」と心配したほど。
 
皮膚科を何か所も訪ねましたが、返っている診断は一様に「薬の副作用なので、薬をやめない限り湿疹は治りません」というもの。
 
ガンのショックに湿疹まで加わり、森さんは憔悴します。食欲はなくなり、体重も落ち、声まで思うように出なくなります。
 
このままではダメだと考えた森さんは、子宮全摘手術に正面から向き合おうと決心します。
 
子宮頚がんと診断された病院も含め、三か所の病院で相談したところ、医師の意見は三人とも違っていました。
 
ここでもまた悩みましたが、最終的に森さんは「手術を受ける!」と決断します。がんと診断されてから1年半経っていました。
 
全摘手術を受けたのは2010年5月。
 
手術は成功し、医師からは「歩くのがリハビリ。なるべく背筋を伸ばして歩くように」といわれました。森さんはそれを守り、点滴スタンドを支えにせっせと廊下を歩いたそうです。
 
女性にっこり1週間で退院し、その1ヵ月後にはステージに立ち、合計で50曲歌っています。
 
体が楽になり「元気になった」と実感したのは、手術から半年過ぎたころです。
 
歌っていて腹筋に力を入れても、手術痕がつる感じがなくなり、飲んでいた薬も全てやめたので、湿疹もウソのようにきれいに治まりました。
 
子宮頚がんを克服し、「神様は乗り越えられない試練は人には与えない」という言葉を実感したそうです。
 
いまでは、うがい、手洗いを徹底してカゼをひかないよう気をつけて、「歌手の命」であるノドを守っています。(通信販売で購入した健康器具での運動はいつも三日坊主だそうですが)
 
森さんにとっては、「歌うことが健康と元気の源」です。