日本茶による健康効果は、主にカテキンの力によるものです。

カテキンは茶ポリフェノールとも呼び、脂質の過酸化を防ぐ性質があります。
 
ガンや動脈硬化、高血圧の予防に効果があるとされ、殺菌作用も期待できます。
 
お茶には、様々な健康効果が報告されています。

お茶の健康効果 日経ヘルスの記事

雑誌「日経ヘルス」に緑茶の健康効果についての記事がありました。
 
要旨をまとめます。
 
■緑茶や紅茶の摂取量が多いほど脳卒中の予防効果が高くなる
緑茶や紅茶を一日に三杯以上飲んでいる人はそうでない人と比べて、脳卒中リスクが21%下がる。
 
お茶のフラボノイドが血管内皮機能を改善して血管の働きを良くしていると考えられる。
 

 
■お茶のカテキンとカフェインがエネルギー消費や脂肪代謝を高める
緑茶カテキンをカフェインを併せて摂取した人は、カフェイン単独よりも体重が平均1.38kg、腹囲が1.93cm減った。
 
■がんや骨粗しょう症の予防効果も報告されている
 
(雑誌日経ヘルス 2014年1月号(Amazon)62ページを参考にしました)




更年期障害の軽減 緑茶のアミノ酸・テアニン

日本の製茶メーカーと米国の大学が共同で調査した結果、緑茶に含まれるアミノ酸成分テアニンは女性の更年期障害を軽減させる効果を持っていることがわかりました。
 
この調査は米国メーン州バンゴール地区で35~60歳の米国女性87人を対象に行われました。
 

 
女性には三ヶ月間1日200mgのテアニンを飲んでもらい、偽薬を飲んだプラセボ群と比較したのです。
 
その結果、テアニンを飲んだグループは、プラセボ群と比べてストレスや更年期障害が明らかに軽減されたことがわかりました。
 
ちなみに、抹茶一杯あたりテアニンは30mg程度含まれています。




緑茶のがん予防効果 男女で別のがんリスクを下げる

厚生労働省は07年の12月に緑茶のがん予防効果についての調査結果を発表しています。
 
40歳~69歳の男女約9万人を対象にして7~12年間の追跡調査を行った結果、次のようなことがわかりました。
 
女性で一日五杯以上お茶を飲む人は一日一杯未満の人よりも胃がんリスクが30%ほど低くなりました。ただし、男性の場合は緑茶による胃がんのリスク低下は見られませんでした。
 
また、40歳~69歳の男性5万人を対象に12年間追跡調査したところ、男性では、一日五杯以上飲む人は一日一杯未満の人に比べて進行性の前立腺がん(前立腺以外の部分にも広がるタイプのがん)の発症リスクが半減する。
 
といったことが判明しています。これらの作用は緑茶に含まれている抗酸化成分のカテキンによるものと考えられています。
 
まとめると、一日に五杯以上の緑茶を飲むと
 
男性には進行性の前立腺がんの予防効果
 
女性は胃がんの予防効果

 
が期待できる。ということになります。(ただし、次の記事のような研究結果もあります)
 

緑茶に乳がん予防効果無し?国立がん研究センター調査

2010年10月28日のMSN産経ニュースで、「緑茶では乳がんを防げないかも」という報道がありました。
 
緑茶で乳がん防げない? 1日10杯でも差なし 国立がん研究センター調査
sankei.jp.msn.com/life/body/101028/bdy1010280849002-n1.htm
(この記事は現在削除されています)
 
一日10杯飲んでも違いは確認されず、同センターの岩崎基室長は「緑茶の摂取で乳がんの予防効果は期待できない」と結論づけています。
 
9府県の40~69歳の女性計約5万4千人を対象に、平成2年と5年から平均14年間の追跡調査が行われました。この期間中に581人が乳がんを発症しています。
 
緑茶を飲む頻度を「週に1杯未満」から「1日5杯以上」まで、6段階に分けて比較されましたが、はっきりとした関連はありませんでした。
 
煎茶と番茶・玄米茶といったお茶の種類の違いも乳がん発症の危険度には影響しないことがわかっています。
 

 
とはいえ、「乳がんを防ぐ効果は無いようだ」というだけで、「緑茶は飲まない」と決めるのも違うのではないでしょうか。
 
上で紹介しているように、胃がんや前立腺がんのリスクは減らすという結果もあるのですから。
 
私は今後も緑茶を飲みます。
 
健康効果もそうですが、「口の中のリフレッシュ効果」は嗜好品の中でもイチバンだと思います。(「病気にならない生き方」の新谷医師は「緑茶は飲まない方が良い」と主張されてますが・・・)
 
最近欧米では緑茶や抹茶が流行しているそうですね。カテキンなどによる健康効果が注目されているのだとか。
 
先日アメリカのテレビドラマを観ていたら、緑茶を飲むシーンがあり、普通に急須が置いてあったのはちょっと驚きました。
 

 
飲み物など食品に限らず健康トピックにはだいたい賛否両論あるものです。どちらも鵜呑みにすることなく、それらの根拠をよく考慮して、どのように行動するか判断したいものです。