筋萎縮性側索硬化症 ALSとは 症状やゲーリッグ選手など

筋萎縮性側索硬化症(略称ALS)は別名「ルー・ゲーリッグ病」とも呼ばれています。
 
かつてヤンキースで活躍していた大リーガー、ルー・ゲーリッグ選手の命を奪った病気として広く知られるようになったからです。
 
 
ワールドシリーズ制覇やリーグ本塁打王、打点王など大活躍していたゲーリッグ選手ですが、1938年ごろから急激に成績が下がり始めます。
 
筋肉に力が入らなくなり、走塁や守備動作も困難になってきたのです。フィールドで倒れることもあったといわれています。
 

そしてプレーの継続に限界を感じたゲーリッグ選手は、連続試合出場記録を更新していた1939年5月2日の試合中、自らベンチに下がりました。
 
 
これで連続試合出場記録は2310で途切れることになり、その2年後、ゲーリッグ選手は37歳で帰らぬ人になりました。
 
 
この病気での筋肉萎縮は、骨格筋に命令を出す脳幹や脊髄の神経細胞の異常により発症します。
 
側索硬化とは、脊髄の神経細胞に脳からの指令を伝える脊髄の中の神経線維(側索)が変性して硬くなることです。
 
 
つまり筋肉そのものよりも、筋肉に関連する神経、運動ニューロンに異常が起き、結果として筋肉がやせていく病気といえます。
 
運動ニューロンに異常が起きる原因ははっきりとはわかっていません(07年現在)。仮説としては興奮性アミノ酸の過剰、フリーラジカル(活性酸素)による損傷説などがあります。
 
 
発症の初期段階では、四肢や顔などに次のような症状が見られます。

・手の指が動かしにくい
・腕が上がらなくなる
・腕の筋肉がやせてきた
・言葉がはっきりしなくなる
 
・物が飲み込みづらい
・会話が困難になる
・歩行がつらくなる
・足が上がらない

症状が進行すると筋肉のけいれん、震え、つっぱりなどが起こり、全身の筋肉がやせて力が入らなくなるので寝たきりを余儀なくされます。
 
会話や食事も困難になり、呼吸筋も侵されるため呼吸困難も起きるようになります。
 
 
反面、意識・知能には障害が起きません。
 
視力・聴力も正常ですが会話が困難なのでコミュニケーションが難しくなります。
 
宇宙学・理論物理学者で世界的に有名なスティーブン・W・ホーキング博士は人工音声合成装置を使用しています。
 
 
21歳で筋萎縮性側索硬化症を発症したホーキング博士は同装置の機能を生かして講演や論文執筆を行い、氏の著書は日本でもベストセラーになっています。
 
 
発症年齢のピークは50~60代で、毎年1000人前後が新たに発病し、2000人~7000人前後の患者がいると考えられています。発病率は10万人あたり1人で、女性より男性の発病率が高くなっています。
 
 
07年現在、この病気の進行を止める薬剤等は開発されていません。進行を遅らせる作用が確認されている薬、リルゾールは日本でも承認されています。
 

イタリアプロサッカー選手のALS発症率

イタリアのプロサッカー選手は、ALSの発症率が平均の約6倍になっていると、イタリア・トリノ大学などの研究チームが発表しました。
 
日本でのALSの発症率は10万人に1人とされていますが、イタリアのサッカー選手は約3万人中43人の確率で発症するそうです。
 
1970年から2001年にかけてセリエA、Bに在籍した7325名のうち、ALSを発症した選手が5人いたという統計もあります。
 
これはどうみても異常に高い発症率ですよね。
 
 
イタリアサッカー選手にALSが多い原因は分かっていませんが、ヘディングなどのサッカー特有の身体への衝撃や筋肉増強剤の使用、選手が使う痛み止めやピッチに散布される薬品の影響など、複数の仮説が原因として考えられています。
 
しかし今のところは普通の人がサッカーをやめる理由は全く無いとされています。
 
 
ALSは日本では紀伊半島に多いことがわかっていて、世界的にはグアム、ニューギニアに多発しています。
 
この理由には、飲用水中のマグネシウム・カルシウム分が非常に少ない一方、アルミニウムやマンガンの成分が多いことが考えられています。
 


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