筋肉の働きというと、「身体を可動させる」が真っ先に思いつきますが、それだけではありません。

筋肉には大きく分けて三つの働きがあります。
 
(このエントリーでの「筋肉」とは、「骨格筋」を意味します)

骨と骨をつなぐ働き

人体は骨格だけでは立つことすらできません。
 
骨自体に可動する機能は無いからです。
 
筋肉が、関節をまたいで骨と骨をつなぐことで活動できます。
 

収縮運動により身体を可動させる

最もわかりやすい働きはこれです。
 
筋肉運動とは言い換えるなら筋肉が収縮する運動です。私たちの身体は筋肉が収縮することで活動しているのです。
 
筋力とは筋肉が縮む力であり、一般にスポーツではこの力が大きいほど運動能力が高いとされます。
 
筋力だけでなく、「自分の意思やイメージ通りに動かせるかどうか」もスポーツのパフォーマンスを左右します。




エネルギーや水分を蓄える

筋肉中には、運動のエネルギー源となるグリコーゲンが蓄えられています。
 
グリコーゲンの貯蔵器官といえば、肝臓を連想しますが、貯蔵量が最も多いのは筋肉です。
 
筋肉に貯蔵されているグリコーゲンは、その筋肉のエネルギー源だけに使われます。
 

 
いわゆる「カーボローディング」は、炭水化物摂取量を増やして体内に多くのグリコーゲンを貯蔵するために行います。
 
また筋トレの際には、たんぱく質だけでなく炭水化物の摂取も大事だと言われるのは、筋肉を活動させるエネルギー源を確保するためです。
 
筋肉内のグリコーゲンが無くなってしまうと、体はたんぱく質をエネルギー源として使い始めます。
 
すると筋肉を成長させるために必要なたんぱく質まで消費されることがあります。
 
また筋肉は水分も蓄える能力があります。
 
人体で最も多くの水分が保管されているのは、実は筋肉なのです。
 

 
そのため運動不足や加齢で筋肉量が減ると、体内水分量も減少します。
 
すると脱水状態および熱中症のリスクが高くなってしまいます。