武術研究家の甲野善紀さんについて書かれた本を読みました。
 
読んだのはこちら。
 

身体から革命を起こす

感想は・・・
 
「抜群に面白かった」
 
です。
かなり影響を受けてしまいました。
 
なるほど~、と目からウロコの内容ばかりだったのですが、その中でも特に「へぇ~」と 感じたことをお知らせします。

スポーツ筋トレは技術向上に結びついていない

以前別のコンテンツで、イチロー選手の筋トレについて紹介しています。
イチロー選手の健康関連話 生活習慣 筋肉に対する意識
 
イチロー選手の結論は「筋肉は大きくすることよりも、機能優先」であり、これは甲野さんも同じような意見です。
 
筋肉およびウエイト・トレーニングについて、甲野さんは次のような意見をお持ちです。

スポーツの上達のためには、ウエイト・トレーニングをやって筋肉を鍛えてという非常につまらない状況にしてしまったのは、科学の罪ですよ。
 
(中略)
 
人間の身体というのは、ただ太く大きくするよりも、全体としてうまくバランスを取っているほうがいい。
 
(中略)
 
ウエイト・トレーニングというのは、鍛えたい筋肉に負荷をかけて、「重い、重い」と思いながら、ゆっくりやって、その筋肉を太らせるわけです。
 

 
それは、下手な身体の使い方ですね。
 
仕事でうまく出来るには、重さを重さと感じないようにしなくてはなりません。
 
(中略)
 
その下手な身体の使い方で身体を作っておいて、それでそれぞれのスポーツの技術が上手になるようにしようなんていうのは、中学生でも論理的矛盾に気がつくようなことでしょう。
(35~36ページ)

甲野さんはこうしたトレーニングを「促成栽培するようなもの」と表現されています。

負荷をうんとかけて、ゆっくりやって筋肉を早く太らせましょうというのは、促成栽培の野菜みたいなものじゃないですかね。
(40ページ)

「石を運ぶ」など”仕事”での体の使い方が理想的

それでは、具体的にどのようなトレーニングが良いのでしょうか?
 
甲野さんは

昔から行われていた仕事感覚でやったほうが、ずっと本質的な身体づくりができると思います。
(39ページ)

と考えていて、こんなエピソードを紹介されています。

・初代の横綱若乃花は少年時代、石炭を天秤で担いで運ぶ仕事をしていた。揺れる板の上もバランスをとりながら運んでいた。
 
・1950年代から60年代にかけてプロ野球で大活躍し、「鉄腕」と呼ばれた稲尾和久投手は家業の漁師を継ぐべく、幼い頃から船に乗り櫓を漕いでいた。
 
(管理人むらお注 この時に乗っていた船は非常に小さいもので、いつ海に落ちてもおかしくなかったそうです。おかげで稲尾投手はマウンドでも動じない度胸がついたのだとか)
 
・横綱朝青龍関は子供の頃から重い石を運んで家の手伝いをしていた。6歳くらいで20kg ほどの石とも格闘していた。
 

 
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