現代では高血圧は完全に「悪者」であり、ある程度の年齢に達すると降圧剤を服用するのが当たり前のようになっています。(ちなみに、管理人の父親も服用しております)
高血圧は脳出血など重篤な疾患のリスクを上げるため降圧剤の使用は仕方ない、といった風潮があるのです。
しかし一部には、この風潮に異を唱える医師もいます。
(このコンテンツは雑誌週刊現代 2014年 6/14号(Amazon・PR)60~65ページを参考にしています)
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高血圧はほっとくのが一番
血圧が低いと認知症・要介護のリスクが上がる 松本光正・新井康通医師
雑誌「週刊現代」2014年6月14日号に、「血圧を下げる必要はない」とする医師の見解をまとめた記事がありました。
関東医療クリニック院長・松本光正医師は、次のように主張しています。
全身にくまなく血液を行き渡らせるために、年齢を重ねるにつれて血圧が上がってくるのはごく自然なことです。
むしろ、クスリを使ってムリに下げようとするほうが体に悪い。
低血圧が、高齢者の認知症の一因だとする説もあります。
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100歳以上の長寿者の健康を研究している慶応義塾大学病院総合診療科の新井康通医師も、松本医師と同じ見解です。
私たちがこれまでに集めたデータを見ると、どちらかというと血圧が高めの人のほうが元気で、低めの人に寝たきりや認知症が多い、という傾向があるようです。
100歳にもなると全体のおよそ8割が要介護になってしまいますが、この要介護の超高齢者には、低血圧の人が多いのです。
年をとったからと何も考えず血圧を薬で下げては、デメリットが生まれる場合もあるようです。
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やっぱり高血圧はほっとくのが一番
降圧剤がめまいの原因に?血圧が下がり過ぎて身体の機能低下も
高齢者の在宅医療を専門とする、茨城県のホームオン・クリニックつくば院長の平野国美医師は、血圧と薬に関して次のように語っています。
高齢者の場合、降圧剤が効きすぎてめまいなどを訴えるケースもあります。
複数の科を受診して、クスリを10種類も15種類も飲んでいる方がいますが、そんなに飲んでいたら食欲だってなくなってしまうでしょう。
降圧剤に限らず、年齢と共にクスリを整理し、減らすことも医師の仕事のひとつではないかと思います。
最後に、大阪大学大学院の神出計教授の主張を紹介します。
神出教授は、高齢者の健康を長期にわたって調査するプロジェクト「SONIC」に参加しています。
調査データによると、若い頃に血圧が高かった人でも、100歳に近づくにつれて自然と下がり、最終的には正常値に落ち着くというケースが多いんです。
ふつう血圧は70~80代に最も高くなって、90歳を過ぎるとむしろ低くなる。
血圧が下がりすぎた場合、体の機能の低下や認知症の一因になります。
まだ研究の途上なのではっきりしたことは言えませんが、体や頭の機能をよく使っているから、血圧がやや高めなのかもしれません」
高齢になると、降圧剤が必要なケースは確かに存在するでしょう。
しかし高齢者の血圧が低いことによるデメリットがあることも認識しておく必要があるのではないでしょうか。
週刊現代の記事には、年をとっても降圧剤は飲まずに元気で生活している高齢者の例がたくさん紹介されています。
年をとったからと自動的に降圧剤を飲むのは、必ずしも正解ではないのかもしれません。
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70歳からの正しいわがまま