ここ数年、コレステロールに対する認識がガラッと変わりました。
 
一番大きいのは、食事で摂取するコレステロール量は気にしなくてもよいと解釈が変わった点ではないでしょうか。
 
そのおかげで(?)私のメルマガやサイトでも「卵を多少多めに食べてみては?」といった記事を書いています。
 
コレステロールの摂取制限の解釈が大きく変わったのは、2013年と言って間違いないようです。

この年に、アメリカの心臓病学会が、
 
「医学的根拠となるデータがないことから、コレステロール摂取制限を設けない」
 
と発表したのです。
(このコンテンツは、雑誌Tarzan(ターザン) 2016年5月12日号56~58ページを参考にしました)
 

 
日本では、2015年の「日本人の食事摂取基準」に、コレステロールの目標量の算定を控える旨が記述されました。
 
食事では、コレステロールを気にする必要はないということですね。
(ただし、遺伝的に血中コレステロールの量が多い体質の人は例外です)
 
コレステロールに関し、摂取量と同様に誤解されているものがあります。
 
それは
 
「悪玉コレステロール(LDLコレステロール)」
 
です。
 
「悪玉」と呼ばれるだけあって、動脈硬化の原因として、健康には最悪なイメージが定着してしまっています。
 
実は20年ほど前から専門家の間では、LDLに限らず、「コレステロール=悪の図式は間違い」との認識は当たり前になっていたそうです。
 
それが徐々に広まっているせいか、最近では「悪玉コレステロール」とはあまり呼ばれなくなっています。
 
LDLもLDLが運ぶコレステロールも悪さはしません。
 
問題は、LDLが活性酸素により酸化されることで発生します。
 
リポタンパクの中で、LDLは特に酸化されやすい性質を持っているのです。この理由はよくわかっていません。
 
LDLは酸化LDLに変化し、これは体内で異物と見なされます。すると免疫細胞のマクロファージが酸化LDLを食べ始めます。
 
酸化LDLを食べたマクロファージは泡沫細胞という別の細胞に変化し、この泡沫細胞は血管壁の下に潜り込んで、プラークという塊を形成します。
 
この現象が、よく知られている動脈硬化です。
 
 
つまり、動脈硬化の一番の原因は、活性酸素であり、
 
ストレス過多 紫外線を浴びる 喫煙・過度な飲酒 食品添加物
 
など、活性酸素を発生させうる生活習慣・食習慣が問題なのです。
LDLではありません。
 

 
本来コレステロールは、人間の体の必須原料です。
 
全身に60兆個ある細胞膜の材料はアミノ酸とコレステロールですし、
 
・脳・神経細胞の材料
・ホルモンの原料
・消化液(胆汁)の原料
・ビタミンDの原料
 
と、絶対に欠かせない働きがあるわけです。
 
動脈硬化を防ぐためには、「コレステロールを控える」という意識よりも、酸化をいかに防ぐかという、現代ではすでに常識となった意識を強くするべきなのです。