2008年頃、「劣化コレステロール(または酸化コレステロール)」という言葉を目にしました。
いかにも身体に悪そうなこのコレステロールはどういうものなのでしょうか?
劣化コレステロールが多い食品と対策
劣化コレステロールとは、
「食品に含まれるコレステロールの中でも、酸化が進んだコレステロール」
のことです。
健康関連の話題では、「酸化」がからんで良いことはまずありません。
コレステロールも例外ではなく、劣化コレステロールは普通のものよりも悪質で、動脈硬化のリスクをさらに高めてしまいます。
劣化コレステロールが多いとされる食品には、
・電子レンジで複数回加熱した食品
・電子レンジで10分以上加熱した食品
・マヨネーズが酸化して半透明になった部分(容器の口についている)
・レトルト加工された食品
・干物など、紫外線に当てて乾燥させた食品
といったものがあります。
体に悪いとはいえ、現代でこれらの食品を完全に無くしてしまうのはちょっと厳しいのではないでしょうか。
私も電子レンジは使いますし、干物もや揚げ物も大好きです。
そこで、劣化コレステロールを含んだ食品を食べてもOKな対策として、「抗酸化物質をたくさんとる」ことがあります。
食品から摂取できる抗酸化物質は非常に多く、アントシアニン、イソフラボン、カテキンやベータカロテンなどはよく知られています。
これらを含む食品を食べることで、体内での抗酸化を促すわけです。
ビタミンCやE、さらには唾液も抗酸化物質です。「よく噛む」ことも立派な劣化コレステロール対策になるのです。
「身体に悪いものが含まれているから食べない」のもひとつの考え方ですが、「その悪いものを解消してくれる食品を一緒に食べる」工夫もアリなはずです。
いろいろ食べた方が楽しいですしね。^^
心筋梗塞のリスク3倍!超悪玉コレステロール 検診で数値を測るには
LDL(悪玉コレステロール)の値が高いと心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。
しかしLDL値が低くてもこれらの疾患を起こす例があり、その原因の研究が進められていました。
その結果、「超悪玉コレステロール(超悪玉LDL)」の存在が明らかになりました。
いかにも体に悪そうなこのコレステロールには次のような特徴があります。
・通常のLDLよりも粒子が小さい
・粒が小さい分、血管壁に入りやすく、かつ血管壁の硬化を進める力が強力
・超悪玉LDLを多く持っていると、心筋梗塞などの発症率が約3倍高くなる
循環器に非常に良くないのは間違いありません。
超悪玉LDLが増えやすい人は以下のとおりです。
・中性脂肪値が高い人
・高血圧・高脂血症・高血糖値の人
・HDL値が低い人
・内臓脂肪の多い人
これらの中で最もポイントになるのは中性脂肪値です。中性脂肪値を減らすことが超悪玉LDLの抑制につながります。
これはつまり「メタボ」を防止することですね。
過剰な糖分や脂肪分を控え、お酒はほどほどに、適度な運動を定期的に行い、喫煙はしない、といった生活を心がけることが大切なのです。
なお、特定検診(いわゆるメタボ検診)には、超悪玉LDL値を計る検査は含まれていません。(2008年時点)
各種検査等で中性脂肪値が高いことがわかっている場合、内科などで「リポたんぱく分画精密測定」を受けると超悪玉LDL値を計ることができます。