日射量が少ない地域ほど、大腸がんなどの消化器系がんで死亡する人が多い、という調査結果があります。
九州大学の溝上哲也助教授の研究によるもので、溝上助教授はこの結果を米国の専門誌に発表しています。
溝上助教授は1961年から90年までの全国の平均日射量と発生部位別のがん死亡率の関連を調べました。
その結果、東北、北陸など高緯度や多雪で日射量の少ない地域ほど、大腸や胃、食道などの消化器系がんの死亡率が高く、四国や九州南部など日射量が多い地域ほど低い傾向が見られたのです。
前立腺がんや乳がんなど、消化器系以外のがんでは関連は見られませんでした。
日光を浴びると皮膚で合成されるビタミンDの抗がん作用が影響しているのではないかと考えられています。
この関連で、溝上助教授は昨今の「美白ブーム」に警鐘を鳴らしています。日光を目の敵にしていると消化器系のがんが増える可能性があると指摘しているのです。
これはどうなんでしょうか?私としては、日光と消化器系のガンの関連がいまいちピンときません。
日射量が少ないと、気温が低くなります。
気候が違えば、食習慣(塩分の寡多、熱いものを食べる機会が多い、など)や飲酒の習慣(飲酒の量や時間)も違いますから、こういった影響も大きい気がします。
紫外線を浴びてビタミンDが生産されるのはメリットではありますが、デメリットも少なくないように思えます。