大腸は消化器官の最後に位置し、水分の吸収と便の形成が主な働きです。
 
長さは2.0~2.5m、直径6~9cmの管で、結腸と直腸に大別されます。さらに結腸は上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に分けられます。

日本人の大腸がんは増加傾向にありますが、リスク要因らしきものはいくつか判明しています。
 
その要因を排除し、定期的な検査を欠かさなければ対処は十分に可能なようです。

◆目次
大腸がんの概要
日本人と大腸がん 食生活の変化で増加中
大腸がん 肉偏食でリスク上昇 中年以降の便秘も危険
40歳・中年以降の便秘は大腸がんの危険性あり
BB536ビフィズス菌 大腸がんリスク低下 辯野教授

大腸がんの概要

大腸の粘膜に発生する悪性腫瘍が大腸がんで、60~70%は直腸とS状結腸の部分に発生します。肛門から10cmまでの部分には全体の30%が発生し、残りの30%がS状結腸に発症します。
 
肛門に近い部分に多く発生するのは世界共通ですが、最近は上行結腸のがんが増える傾向にあります。
 
 
大腸がんはゆっくり進行するタイプのものが多く、早期に治療を行えば5年生存率は100%近くあります。
 
進行が遅く、治癒率が高いため比較的たちの良いがんといえます。
 
しかし発見が遅れると大がかりな手術が必要になり、直腸がんでは肛門や膀胱周辺の自律神経の温存が難しくなることもあります。
 
大腸がんに関して注意しなくてはいけないのは、大腸がんの兆候の一つである便潜血(便に血が混じる)を痔と勘違いしてしまうことです。そのまま放置すると、悪性が高ければ命にかかわります。
 
会社や地域などで行われている健康診断で、便の潜血反応(便に血が混じっていないかを調べる検査)が陽性を示したら必ず精密検査を受けましょう。
 
潜血反応が陽性であっても自覚症状がないことも多く、そのままほうっておくと大腸がんは進行してしまいます。
 
早期であれば日帰りもできる簡単な手術(内視鏡による切除)で済むのですが、一年も放置していると入院は免れず命にかかわることもあります。
 
残念なことに、近年の日本では大腸がんが増加傾向にあります。忙しくて病院に行けないなら郵送できる大腸がん検査キットなどを利用してチェックしてみてはいかがでしょうか。
 

日本人と大腸がん 食生活の変化で増加中

がんは日本人の死亡原因の第一位で、中でも結腸がんと直腸がんを合わせた「大腸がん」は30年来増え続けています。
 
1990年には約5万3千人だった罹患者数が98年には約7万9千人になり、2015年には18万人以上になると予測されています。
 
大腸がん発症の男女比率は6対4の割合でやや男性が多く、男女とも50代からの発症が目立ち、60~70代になると増えていく傾向にあります。男女を問わず退職後の定期健診が重要といえます。
 

 
大腸がん増加の原因は「高脂肪、高カロリーの食事」が定説になっています。脂肪が肝臓で分解されると胆汁酸などさまざまな酸が出て、その酸が腸内細菌と絡んで発ガンが発症すると考えられているのです。
 
しかし動物実験からはこのプロセスが原因だとは一概に言えないようで、環境的因子は本当のところよく分かっていません(06年現在)。
 
反面、遺伝が原因であるとはっきり分かっている大腸がんもあります。そうした家族性の大腸がんは全体の5~10%を占めるとみられ、確実に遺伝します。
 
大量のポリープができ、何度も手術を繰り返す場合もあるのです。

大腸がん 肉偏食でリスク上昇 中年以降の便秘も危険

がんのリスクに関するトピックでは、「肉をたくさん食べる人は、大腸がんになりやすい」との主張をしばしば目にします。
 
これを裏付ける研究結果は、国立がん研究センターより発表されています。
 
MSN産経ニュースさん
牛と豚肉、食べ過ぎ注意 女性の大腸がんリスク上昇
sankei.jp.msn.com/life/news/111128/bdy11112811440003-n1.htm
(現在この記事は削除されています)
 
記事のポイントをまとめます。

■調査対象は1990年代後半に45~74歳だった男女約8万人
 
■追跡調査期間中、788人が結腸がんになった
 
■調理前の重量で約80g以上の牛肉か豚肉を1日に食べる女性は、25g未満と最も少ないグループより、結腸がんのリスクが48%高かった
 
■男性の場合、牛肉と豚肉だけでは摂取量とリスク上昇の関係は、はっきりとは表れなかった
 
■ただし、鶏肉も加えた肉類の摂取量が1日約100g以上と最も多い男性のグルーブは、35g未満と最も少ないグループより、リスクが44%高くなった
 
■この肉類のうち、総量の85%を牛肉や豚肉が占めていて、男性でもリスク上昇との関係は否定できない

肉類大好きな私には、やや辛い研究結果です。
 
確かに、肉類に偏るとがんのリスクが上がるのかなぁ、という気はします。
 
どんな食品にも「負の面」は指摘されています。また、「負の面」ばかりの食品もありません。悪役になることが多い肉類に対しても、「食べることのメリット」を挙げられるものです。
 
近年は健康長寿のためには、肉食は欠かせないと言われることも増えてきました。
 
 
「負の面」だけを突出させないためのキモとして食習慣全般に言えることは、「〇〇ばっかり食べる」など、極端に偏った食べ方をしないではないでしょうか。
 
肉だけ食べるのはもちろん、野菜だけ食べていても何がしかの弊害が生まれるものです。
 
「肉も食べるし、魚も食べる。 野菜や穀物、果物もいろいろ食べる」のが理想ではないかと。健康的であるだけでなく、いろいろ食べたほうが楽しいですしね。
 
次の記事も大腸がんのリスクについて紹介します。
 

40歳・中年以降の便秘は大腸がんの危険性あり

40歳を過ぎて急に便秘になった場合、大腸がんの危険性を特に注意する必要があります。
 
30代以前の場合と違い、大腸がんによるポリープが排便を妨げていることがあるからです。
 
「いままでお通じはよかったんだけどな」という人で40代以降なら、念のため大腸がん検診を受けましょう。
(ちなみに降圧剤、抗うつ剤、胃潰瘍の薬の中には腸の働きをおさえ、便秘を引き起こすものがあります)
 
便秘というと女性のイメージがありますが、男性でも便秘の人は意外と多いようです。
 
私の前の仕事で取引があった、ある会社の営業の男性(50代です)は便秘がひどいと言ってました。三日ぐらい出ないことはザラ、という話だったと記憶しています。
 
私はこれまで「一日でも出なかった日は無い」ほど通じはいいのでにわかには信じられません。
 
体質などがあってある程度は仕方ないことしれませんが、私は便秘気味だからといって簡単に便秘薬を使用するのは絶対に反対です。
 
私の知り合いで、便秘薬を常用していたら便秘薬を飲まないと出ない、という最悪のパターンにはまってしまった女性がいます。便秘はあくまで食事や運動、生活習慣の工夫などで改善するべきだと考えます。
 
とりあえずは水を意識して飲む、適度な運動をする、朝食を食べる、繊維質の多い食品(個人的にはココアがおススメです)をとる、といったところがポイントでしょうか。
 
別コンテンツには管理人の快腸習慣 ヨーグルトやココア摂取などをまとめていますので興味のある方は参考にご覧下さい。

BB536ビフィズス菌 大腸がんリスク低下 辯野教授

日本でも増加している大腸がんには、悪玉菌のひとつである「毒素産生型フラジリス菌(ETBF菌)」が関与していると考えられています。
 
そこでBB536ビフィズス菌が注目されています。BB536ビフィズス菌は、腸内のETBF菌の数を減らしてくれるのです。
 
森永乳業と理化学研究所の辯野(べんの)義己室長は、成人32人を対象に、次のような実験を行いました。

■被験者を二つのグループに分け、一方のグループにはBB536ビフィズス菌を含むヨーグルトを、もう一方には一般的な牛乳を飲んでもらう
 
■上の条件を8週間続け、実験前後に大便中のETBF菌を測定する
 
■その結果、BB536ビフィズス菌を飲んだグループは、実験前に便1g当たり1000万個あったETBF菌が、実験後には100万個まで減少していた
 
■反面、牛乳を飲んだグループのETBF菌数に変化はなかった。

この実験結果から、BB536ビフィズス菌はETBF菌を減らし、大腸がんを予防する作用があると考えられます。
 
大腸がんが増えている現在、このビフィズス菌の作用は今後注目を集めるかもしれません。BB536ビフィズス菌は、ヨーグルトやカプセルとして製品化されています。
 
別コンテンツにBB536製品をまとめています。