ザクロは古くから世界各地で薬として使用されてきました。
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ザクロについては「大豆イソフラボンに似た、植物性エストロゲンを含む」という解説がお約束ですが、一方で「ザクロには、女性ホルモンに近い作用は確認されていない」という主張もあります。
ザクロは血圧低下 動脈硬化予防 骨・関節の健康維持に
ザクロは
■血圧低下
■動脈硬化予防
■骨・関節の健康維持
といった目的で摂取されることもあります。
アテローム性動脈硬化が認められる10人に、ザクロジュースを1年以上飲んでもらう研究では、
・血圧が低下
・細胞膜の酸化を防ぐ酵素の活性アップ
・LDLの酸化抑制
といった結果が報告され、頸動脈肥厚が30%以上低下しています。
動物やヒトを対象にした8つの実験を解析した研究報告では、ザクロが骨粗鬆症や骨関節炎、関節リウマチにも良い働きが期待できるとしています。
女性は閉経後、女性ホルモン分泌量の減少などにより骨粗鬆症リスクが増えます。
そうしたリスクの低減にもザクロが貢献してくれるかもしれません。
前立腺がん対策にもザクロ 名古屋市立大学の研究結果
ザクロは、主に女性が食べるイメージですが、前立腺がんが気になる男性にもオススメできそうです。
名古屋市立大学の朝元誠人助教授(研究発表当時)らが、平成18年9月28日に横浜市で開かれた「日本がん学会」で発表しています。
朝元助教授らは、人の初期の前立腺がんを培養し、濃度5%のザクロ果汁溶液に入れました。
すると、わずか30分ほどでがん細胞が死滅したのです。
さらに、前立腺がんを人工的に発生させたラットに5%濃度のザクロジュースを飲ませたところ、がん細胞の縮小効果が確認されました。
しかし、他のがん細胞には効果がありませんでした。
朝元助教授によると、「自然の物質でここまで前立腺がんに作用するものは例がない」そうです。
前立腺がんは日本でも増加しており、
といった有名人も発症しています。
上記の研究が発表された時点では、ザクロに含まれる何がこのような効果を持っているのか特定されていませんが、前立腺がん治療にとって明るい材料であることは間違いありません。
がん細胞縮小に目覚ましい効果が期待できるようなので、この研究が足がかりになって、その他のがん治療も大きく進展してほしいものです。