健康管理に血圧を計っている人は多いのではないでしょうか。私の父も血圧計測が日課になっています。
 
このコンテンツでは、血圧測定の参考になりそうな話題をひとつ紹介します。
 
いつ、どの数値を重視すべきかの例としてご覧下さい。

(この記事は雑誌壮快 2017年9月号50~52ページを参考にしました)

血圧はいつ計り どの数値を見る?

京都の「アサワ医院」の浅輪喜行院長は、患者さんに特殊な血圧計をつけてもらい、睡眠時も含めた血圧データを蓄積しています。
 
1989年から計測を続けており、これまでに1700人を超えるデータを集めています。
 
それらを検証した結果、浅輪医師が重視しているのは 睡眠中の血圧です。
 
睡眠中の女性
 
基準値としては
 
・睡眠時の最大血圧が100mmHg前後
・最小血圧が70mmHg未満
・1分間の脈数は69未満

 
としています。
 
血圧に注意している方の多くは、朝起きてすぐの計測を習慣にしているのではないでしょうか。
 
しかし浅輪医師はこのように解説されています。

「早朝高血圧」が問題視されますが、朝は脱水状態で血液が濃くなっており、心身を活動的にするために血圧を上げる必要があるので、早朝の血圧も高くて当たり前です。
 
問題となるのは、血圧が下がるべき睡眠時に、血圧が下がらないことだったのです。

とはいえ、一般の人は睡眠中の血圧を計ることはできません。
 
そこで浅輪院長は寝る直前の血圧を計るよう勧めています。
 
測定は4回行い、その中で最小血圧が最も低かった時の数値を睡眠時血圧として代用するのです。
 
なぜ最小血圧なのでしょうか?
 
最大血圧は緊張やストレスなどで変動するのに対し、最小血圧は血管の状態を表しているからです。
 
浅輪医師の調査では、睡眠時の最小血圧が75mmHg以上の人の頸動脈には、約90%に動脈硬化が見られました。
 
浅輪医師は、寝る直前の正常数値の基準として
 
・最小血圧が70mmHg未満 
・脈数が最小血圧の数値より少ない

 
の二つを挙げています。
 
この就寝前計測をする際には、注意点もあります。

・お酒は飲まない
・入浴直後は避ける
・できるだけリラックスして行う 

 
一週間のうちに最小血圧が70mmHg以下の日が2日以上あれば問題ありません。
 
しかし、70mmHg以上の日が一週間に6~7日あると、睡眠時も血圧が高いと考えられます。
 
また脈数が多いのは、心臓が血液を送り出すのに頻繁に拍動しているということです。血流が悪くなっているサインなので、こちらも対処が必要です。
 

 
浅輪医師は、血圧が高くなる大きな原因としてストレスを挙げています。日中に受けたストレスが就寝後も血管を収縮させ、血圧を上げてしまうのです。
 
ストレス自体をなくすのは難しいため、「嫌な気持ちを引きずらない」のがポイントです。旅行や音楽、映画など、楽しいと思える時間を持つ努力をしましょう。
 
また浅輪医師は、血液のドロドロを解消するには、水分に加えてミネラルも必要としています。

お勧めの食事は和食

そこでおすすめなのは朝食に和食をとることです。
 
ご飯に具だくさんの味噌汁、漬け物、お茶といった献立で水分とミネラル、食物繊維が摂取できます。
 
水分を食物繊維と一緒にとると、水分が消化器で滞留する時間が延び、少しずつ体に吸収されるので血液が濃くならずに済みます。
 
逆に勧められないメニューは、パンとコーヒーです。
 
午前中に脳梗塞や心筋梗塞を起こした患者さんを調べたところ、ほとんどがこれらを朝食で食べていました。
 
水分とミネラルを補給できず、血液がドロドロのままだったのです。
 
和食
 
いかがでしょうか?
 
「寝る前に計り、最小血圧と心拍数に注目する」浅輪医師の方法も参考にしてみて下さい。
 
ちなみに浅輪医師は牛乳やヨーグルトといった乳製品も、高血圧対策に有効として勧められています。