東京大学大学院教育学研究科の武藤芳照教授は、子供が外で遊ぶことの重要性を指摘し、

「少なくとも小学生まで外遊びを重視すべき。その過程で子供の総合的な運動能力を高めることができる」
 
と主張されています。


最近では、基礎的な運動能力がまだ備わっていないような小さな子供にも、野球やサッカーなど特定スポーツのトレーニングをさせることもあるようです。
 
「小さい時からスポーツをしている」というと、イメージとしては健康的に感じますが、実際には・・・

・子供の総合的な運動能力が発達しない
・成長のバランスを崩す
・故障を引き起こす原因になることもある
 

 
といったネガティブな側面があることもわかってきています。
 
野球やサッカーで行う動作としては、
 
走る 投げる 蹴る ボールをキャッチする ジャンプする (バットを)振る
 
といったものがあります。
 
対して、山や川、海、野原など外で遊ぶ場合なら
 
走る ジャンプする 斜面を登る 斜面を滑り降りる 野原を転がる 泳ぐ (枝などに)ぶら下がる しゃがむ 這って進む バランスをとりながら歩く・・・
 
など、無限といっても過言ではないほど様々な活動をします。
 

 
野球やサッカーも複雑で多くの動作が必要ですが、種類の多さでは外遊びにはかないません。
 
外遊びでは、特定のスポーツを行うよりもはるかに多くの刺激を筋肉・脳の両面で受けることができるのです。結果的に、子供の総合的な運動能力が上がっていきます。
 
すると子供に体力がつくだけでなく、転んでもケガをしないなど危険への対応力も上がります。
 
子供が小さいうちは、体力づくりとして外で遊ぶことは非常に大切なのです。
 
それが知らず知らずのうちに、後でスポーツを始めた時の助けにもなるのは間違いありません。

くる病の子供増える

少し前のMSN産経ニュースさんに、ちょっとドッキリするニュースがありました。
 
放射能恐れ? 外遊び減り、乳幼児にビタミンD欠乏性くる病
sankei.jp.msn.com/life/news/130924/bdy13092411300003-n1.htm
(現在この記事は削除されています)
 
「くる病」とは・・・。(´Д`)
 
本などで読んだことはあっても、現代の日本ではないだろ、というイメージがあったのですが。
 

 
くる病は成長期の子供の骨にカルシウムが沈着せず、柔らかい骨の組織が増えてしまう病気です。骨の成長障害や変形をひき起し、O脚になることもあります。
 
MSN産経ニュースさんの記事から、子供にくる病が増えている原因などをまとめます。

■ビタミンDは、カルシウムの骨への吸収を助ける働きがあり、日光を浴びると体内で生成される
 
■紫外線や放射能を敬遠し、子供を屋外に出さない家庭が増えた 
 

 
■その結果子供にビタミンDが不足するようになった
 
■日光に当たる時間が短く、かつ母乳だけで育てられる子供はさらにビタミンDが不足しやすい
 
■ビタミンD生成に必要な日光浴時間は、冬の札幌市なら正午でも1時間以上必要
 
■ビタミンDが欠乏すると1型糖尿病、大腸がん、乳がん、多発性硬化症の発生頻度が上がるとの報告もある
 
■ただし、過剰に摂取しすぎても(一日あたり50マイクログラム以上)高カルシウム血症や腎障害を招く恐れがある
 

 
最近は小さな子供でも日傘をさしている光景を目にします。
 
お母さんと並んで歩いている姿はほほえましいものですが、紫外線の遮断も度が過ぎると身体によくない、ということです。
 
とはいえ、紫外線の浴び過ぎがよくないのは確かなので、バランス感覚が求められるところです。
 

 
紫外線や放射能がどうしても気になるのであれば、ビタミンDが不足しない食生活を心掛ける必要があるでしょう。
 
ビタミンDは卵黄や魚、キノコ類に含まれています。