肝臓がんによる死者は年間3万4千人に達し、肺がん、胃がん、大腸がんに次ぐ多さです。
(このコンテンツは2009年に作成しています)
 
肝臓がんは再発が多い、厄介ながんです。
 
手術をしてもその後1年で20~30%、2年後には約50%、5年後には70~80%の患者に再発が見られます。

再発するたびに手術などをするため、肝臓がんの治療は「もぐら叩き」に例えられることもあります。
 
肝臓がんが再発したらすぐ対応できるよう手術後の経過観察には医師側も注意を払います。
 
肝臓がんは発生する状態によって治療法を変えて対応されます。
 
肝障害の進行度や大きさなど細かい基準があります。大まかなところを紹介します。
 
がんの大きさが3cm以内で個数が3個までであれば手術で切除したり、あるいは患部を電気で焼いてしまう「ラジオ波治療」が施されます。
 
がんの大きさが3cmを超えたり、個数が4個以上になると「塞栓」「動注」という方法も選択肢になります。
 
「塞栓」は肝臓への動脈をふさいで血流を制限し、がんに栄養が供給されるのを止めてしまう治療法です。「動脈をふさぐ」といっても肝臓の働きに支障はありません。
 
「動注」とは肝動脈から肝臓へ抗がん剤を注入する方法です。濃度の高い抗がん剤を肝臓に送ることができます。
 
再発を繰り返した場合、これらの中でベストの治療法をそのつど適用します。
 
そのため肝臓がん治療は医療機関の総力戦の様相を呈します。