雑誌「週刊新潮」の特集「がんの練習帳」に、中川恵一医師の記事がありました。

・膀胱がんになった菅原文太さんを治療した時の様子
 
・中川医師自身が膀胱がんを発症し、陽子線治療を受けた後の様子
 
がまとめられています。

一部抜粋して紹介します。

菅原文太さん「コンビニの袋(人工膀胱)は嫌」そこで治療法を変えて…

中川医師は菅原さんの治療を担当していました。

私は、がん専門医として菅原文太さんの治療を担当したことがあります。文太さんのケースでは、がんが進行しており、全摘も考えなくてはいけない状態でした。
 
しかし、彼は「コンビニの袋みたいなのを付けるのは嫌だ」、「立小便ができない生活なんて考えられねえ」と嫌がった。
 
そこで、陽子線(放射線)治療に切り替え、これがうまく行きました。
 

膀胱がんが筋肉層まで浸潤すると、膀胱の全摘が必要なケースが出てきます。
 
菅原さんの言う「コンビニの袋」とは「ストマ」という人工膀胱のことです。
 
これは尿を受けるための袋で、体の外に装着されます。
 
慣れれば特に不便はありませんが、尿意を感じなくなるため、尿を定期的に捨てる必要があります。
 
これが面倒と感じる患者さんもいます。




中川医師自身が膀胱がん発症 電気メスでの手術後に強烈な痛み

中川医師自身が膀胱がんの手術を受けることになります。

手術は(2019年)12月28日の朝から始まりました。担当したのは、腕のいい後輩です。
 
やり方は尿道から太い金属の棒を膀胱まで差し込み、そこから電気メスで病巣をかき取るというものです。
 
もっとも、麻酔をしているので何の痛みもありません。意識もはっきりしているのでモニターで手術を見ることが出来ます。
 
担当医と話をしながら、40分で終わってしまいました。早期がんであれば、こんなに簡単なのです。
 

 
しかし、手術が終わって麻酔が切れると下腹部に猛烈な痛みが襲ってきました。
 
何しろ、尿道から太い棒を押し込み、電熱線のようなもので、膀胱の壁を削ってゆくのです。手術が終わってからも血尿が続き、血の塊りのようなものも出てきました。
 
痛み止めをもらって何とか和らげましたが、わずかな血尿は今でも出ています。
 
(このコンテンツは週刊新潮2019年1/31号(Amazon)129~131ページを参考にしました)

膀胱がんは菅原さんだけでなく、タレントの小倉智昭さんといった芸能人も発症しています。(関連記事もご覧ください)
 
1万人に1人ぐらいの罹患率であり、それほど高くありませんが再発が多いのが特徴です。(1年以内で24%、5年以内で54%程度)