抗がん剤には三種類あり、それぞれに長所・短所があります。

三つの特徴を簡単にまとめます。

化学療法薬 用途は広いが副作用あり

がん細胞の増殖を抑える効果があり、転移を予防します。
 
種類が多く幅広く使われていますが、重い副作用(下の記事参照)が発生するのが欠点です。
 
近年では副作用が少ない薬や、副作用が起きない薬を事前に投与する支持療法も一般的になっています。




ホルモン剤 乳がんなどに有効 骨粗しょう症の副作用

乳がんや前立腺がんなど、ホルモンが関わるがんに効果的です。
 
前立腺がんの場合、発症に関連する特定の男性ホルモンの働きを抑える薬を使用します。
 
ホルモン剤にも副作用があり、骨がもろくなる骨粗しょう症が代表的です。




分子標的薬 副作用は少ないが高価

がん細胞そのものには作用せず、がん細胞の増殖や、転移に関わる遺伝子に作用する薬です。
 
正常な細胞への影響が少ないため、副作用が出にくいのが特徴です。
 
しかし極めて高価なのが欠点で、使う場合は高額療養費制度などの助成制度を利用しましょう。




抗がん剤の副作用 脱毛・吐き気・白血球減少

抗がん剤には副作用がつきものといっても過言ではありません。
 
・脱毛
・吐き気
・白血球の減少
 
が三大副作用と呼ばれています。
 

 
化学療法薬は細胞分裂を盛んに行う細胞を攻撃する性質があります。
 
そのため、毛髪を作る細胞、消化管粘膜を作る細胞、白血球を作る細胞など、分裂が活発な細胞は薬の攻撃を受けてしまうのです。
 
現在抗がん剤は全てのがんをカバーしています。副作用の少ないタイプもあり、以前よりも患者の負担は軽減されています。