前立腺がんは近年増加しており、死亡者数も年間8千人を超えています。
前立腺がんは昔の日本ではあまり見られませんでしたが、大腸がんと共に増加傾向にあります。
初期症状の少ない前立腺がん 治療法は進歩するも欠点あり
前立腺がんは初期症状がほとんど感じられず、発見された時にはすでに手遅れ、というケースも多いのです。
骨やリンパ節に転移しやすいという特徴もあります。
かなりやっかいながんなのですが、治療法は進歩しています。
しかも内分泌療法で手術なみの効果が期待できるのです。
前立腺は男性ホルモンと強く関係しているため、抗男性ホルモン剤を服用するか、月に一回注射をする内分泌療法を行うといった対処がとられます。
効果は非常に高く、しかも副作用も少ない優れた治療法です。手術や放射線治療、超音波を利用した治療(下記事参照)などと併用されることもあります。
ただしホルモン療法は時間の経過とともに効果が弱くなる欠点があります。
最後には効き目がなくなってしまうのですが、別の療法や薬物を併用することでこうした欠点を補えます。
前立腺がんになると残尿感や頻尿、排尿障害といった症状が表れます。
これらは前立腺肥大症でもほぼ同じ症状が出るため、がんの発見が遅れることがあります。
前立腺肥大症と前立腺がんは全く別の疾患で、前者は良性ですが後者は進行するとリンパ節や骨へ転移することがあるので早期の対処が必要です。
前立腺がん治療法HIFU 特徴や入院期間 欠点もあり…
前立腺がんの治療法として、HIFU(ハイフ)という方法が近年多く用いられています。
HIFUの仕組みを簡単にまとめると
「強力な超音波でがん組織を焼き、死滅させる手術」
ということになります。
日本語では「高密度焦点式超音波治療」と訳されるのもそのためです。
これまでの前立腺がんの治療では放射線治療やがん組織の切除が行われてきましたが、これらの治療法は患者への負担が大きいという問題点がありました。
その点HIFUは患者への負担が少ないなど、優れた特徴がいくつもあります。以下に紹介します。
・入院も比較的短期間で済む(2~3泊)
・術後の勃起不全や尿失禁なども少ない
・仮に再発した場合でも繰り返し施術が可能
・HIFUを行うとホルモン療法が必要無くなるケースもあるため、ホルモン療法の合併症を防ぐことができる
長所が多いHIFUですが、欠点もあります。
治療費に保険が適用されず、80~100万円の自己負担が必要になってしまうのです。
前立腺がんは本来欧米人に多いがんだったのですが、最近は日本人にも急増しています。
自覚症状が少ない前立腺がんに限らず、ある程度の年齢に達した男性は各種病気の早期発見のため定期的な健康診断を実践しましょう。