2011年7月4日の九州スポーツ新聞に、認知症薬の特集がありました。
医療ライター・倉西隆男さんの記事で、最近日本で発売された「レミニール」と「メマリー」が紹介されています。
記事を参考に、このふたつの薬について簡単にまとめてみます。
これらの薬は、認知症薬としてすでに有名な「アリセプト」と少し違いがあるようです。
レミニール アセチルコリンの働きを改善 アリセプトの副作用は軽減
アルツハイマー型認知症は、脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンの不足などから認知機能の低下が生じます。
レミニールは、「ガランタミン」という成分により、アセチルコリンの働きを改善する効果があります。
アセチルコリン以外の物質にも働きかけて治療効果を高めます。
アリセプトと同様の作用を持っているだけでなく、アリセプトに見られる吐く、下痢といった副作用は軽減されています。
症状が軽度および中程度の患者が対象。
メマリー カルシウムの流れを抑制
2002年から欧州で使われており、アリセプトやレミニールと違って体内のカルシウムに作用するのが特徴です。
神経細胞にカルシウムが流れ込むのを抑制する作用があります。
カルシウムは細胞分裂に必要ですが、過剰になると細胞を死に至らすため、カルシウムを抑制すると症状の改善が期待できます。
シナプスに発生するノイズを抑えて記憶信号を伝えやすくする効果もあります。
症状が中程度から高度の患者が対象です。
アリセプトとメマリーなど、作用の異なる薬を組み合わせて使用し、相乗効果で治療するケースも増えています。