歯科で抜歯をしたあとは、抗生物質を処方されます。
しかし患者によっては「明日も受診して消毒されるから」といった理由で抗生物質を飲まないことがあるようです。
これは非常に危険です。
まず、口中は細菌が非常に多い場所です。
歯の表面についている歯垢には、1gあたり1000億個もの細菌がいるとされています。これは大便と同程度です。
抜歯すると歯槽骨が口腔内に露出します。
これは「体の内側」が、細菌だらけの場所にさらけ出されているようなものなので、体内に口中の細菌が侵入するリスクが非常に高まります。
口内の危険要素は口内細菌だけではありません。
口は呼吸の外気や食物などで外部と接触する場所なので、外界からの細菌類も口内に入ってきます。それらが抜歯跡から侵入する可能性も高まるのです。
口内細菌が体内に入った場合、心内膜炎などの非常に重篤な症状をひきおこすことがあるので注意が必要です。
こういったリスクを未然に防ぐために抗生物質が処方されるのです。抗生物質を服用することによって血中の細菌増殖を抑えるわけです。
この作用は一定時間で効果が弱まってくるので、処方された量を定期的に飲まなければいけません。
「翌日また診察を受けるから」といったことにかかわらず、処方された薬はちゃんと服用しましょう。
「まぁいいだろ」という軽い気持ちが、思わぬ重病を招くことがあります。
抜歯後の抗生物質と口内細菌の怖さ
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