先日ネットで「胃ろう」に関する記事を読みました。
 
恥ずかしながら、私はこの時初めて「胃ろう」という言葉を目にしました。
 
胃ろうとは、簡単に言うと
 
腹部に穴を空け外部から胃にチューブを通し、そこから栄養を補給する
 
ものです。

頭頸部のがんや脳梗塞の後遺症、あるいは加齢や認知症で口からの食事が困難になった患者などに施されます。
 
胃ろうは身体への負担も少なく、定期的に交換が必要ですが点滴と違って管理も簡単です。また、食事ができるようになったら胃ろうを外すのも容易で、傷も目立たなくなります。
 
こう書くと、胃ろうは良いことずくめのように思えますが、実は弊害もあるようなのです。私が先日読んだ記事には、このマイナス面がとりあげられていました。
 
MSN産経ニュースさん
読者から 胃ろうにした夫
sankei.jp.msn.com/life/news/110715/trd11071507330005-n1.htm
 
読者から 胃ろうにして後悔
sankei.jp.msn.com/life/news/110729/bdy11072907580001-n1.htm
(以上二つの記事は現在削除されています)
 
患者はまだ経口摂食できるのに、医療機関から胃ろうを勧められるなど、患者や家族の意向が優先されないケースがあるのです。
 
私としては、食べ物は可能な限り口から摂取するべきだと思います。
 
食事とは、ただ単に栄養を補給するだけの行為ではありません。食品を口に入れて咀嚼し、唾液と混ぜて飲み込むのは大きな意味があるのです。
 
会話を楽しみながらの食事であれば、さらに有益な、栄養補給以上の作用を身体にもたらしてくれます。
 
咀嚼や嚥下がどうしてもできないのであれば仕方ないかもしれませんが、栄養補給は可能な限り「自然な」形が望ましいと思います。
 
「胃ろう」は患者や家族が納得したうえで行われるべきです。