胃潰瘍は「胃に穴が開いて激しい痛みと共に出血して、下血や吐血もある」といったイメージがありますが、実際には症状が無いケースもたくさんあります。

このコンテンツでは、胃潰瘍の予防や対策になる食材、ピロリ菌についてまとめています。

胃潰瘍の改善・予防

腹痛が食後にひどくなる場合は胃潰瘍であることが多く、対して十二指腸潰瘍では食前の腹痛が多くなります。
 
胃潰瘍の改善・予防で心がけるべきこととしては、次のようなものが挙げられます。
 
お酒の飲みすぎをやめる
食事は規則的に食べる
食事には時間をかける。早食いはだめ
間食や睡眠前の食事は胃酸の分泌を増やすので厳禁

 

 
胃潰瘍は胃がんの兆候として表れますが、内視鏡検査では潰瘍が胃がんによるものかどうかは見逃してしまうことがあります。
 
検診の際に胃潰瘍が見つかったら、胃の組織を調べる生検を行うと癌かどうかわかります。気になるときは生検も受けておくと安心です。




胃潰瘍対策の食材

胃潰瘍に良いと昔から言われている食材に、ジャガイモがあります。
 
ジャガイモはビタミンCが豊富で、ビタミンCは胃の粘膜を保護する働きがあります。しかもジャガイモのビタミンCはでんぷん質で保護されているため壊れにくいのです。
 
よくあるジャガイモ料理のほか、細かく切って、フライパンで焼いて食べるのも手軽ながら良いようです。
 

 
胃潰瘍になったら、食事はゆっくり食べるのが原則です。
 
間食や睡眠前の食事は胃酸の分泌を促進するので控えましょう。食事は消化の良いものが基本で、過度の脂肪分、塩分、糖分は避けます。
 
胃潰瘍には牛乳を勧められることもありますが、牛乳の脂肪分がかえって胃に負担になるケースもあります。

ピロリ菌への対処 除去するよりも抑えるのが良い説も

胃潰瘍では、原因のひとつであるピロリ菌をいかに抑えるかが非常に大切になってきます。
 
近年はピロリ菌を除去する治療もあります。
 
ピロリ菌を胃から除去すると潰瘍の発生が抑えられるのは確かですが、ピロリ菌を除去したことによる副作用として逆流性胃炎の発症リスクも指摘されています。
 
逆流性胃炎とは胃酸が食道に逆流して起きるもので、胃の酸により食道の内壁が荒らされてしまいます。
 
胸焼けや胃もたれ、食べ物がつかえる感じなどの症状が出ます。悪化してガンが発症したケースもあります。
 

 
ピロリ菌は悪さだけでなく、胃壁をやわらげ、胃酸が食道に逆流するのを防いでいます。
 
広島県立病院の研究グループは、除菌しないほうが病気は少ないという研究結果も明らかにしています。
 
ピロリ菌は除去するより活動を抑える方が良い、との考え方もあります。
 
最近はピロリ菌の活動を抑制するヨーグルトも発売されていますし、緑茶やココアといった飲料はピロリ菌を抑える効果が高いことが知られています。
 
ココアのピロリ菌殺菌作用は非常に強力で、ココアに含まれている「カカオFFA」という成分がピロリ菌に直接ダメージを与えます。
 

 
蜂蜜の一種であるマヌカハニーもピロリ菌駆除作用を持っています。
 
ただし、これらの食品を継続して食べたとしてもピロリ菌が完全になくなることはありません。
 
ちなみにピロリ菌はイヌ、ネコ、サル、ブタの胃にも生息しているそうです。