腹痛は比較的頻繁に起きますが、背中の痛み(背部痛)はあまり発症しません。
 
しかし背中の痛みは、重要な器官の不調が原因になっていることもあります。
 
見過ごしたり、そのまま放っておくなど軽く考えると、取り返しのつかないことにもなりかねません。


 
このコンテンツでは背中の痛みと関係する病気をまとめています。

背中の痛みと病気で多いケース 尿路結石や潰瘍 がんの可能性も

背中の痛みが関係している器官としては
 
心臓 胃 肝臓 すい臓 腎臓
 
といったものがあります。いずれも重要な臓器で、不調がそのまま生命にかかわることもあります。
 
比較的多いのが尿路結石で腰痛を起こすケースです。
 
尿酸値が高く、カルシウム摂取量が少ない、食事で摂る脂肪分が多い、といった生活習慣では尿路結石ができやすくなります。それが腰の痛みの原因になるのです。
 

 
胃や十二指腸の潰瘍も腰痛を起こすことがあります。
 
女性なら生理痛で腰が痛くなる経験があるかもしれません。
 
これら腎臓や子宮、卵巣といった臓器は不調が起きると腰に痛みを起こしやすいのです。
 
さらには、ストレスなどによる「心因性の腰痛」もあります。こうした腰痛では、臓器や腰部分に不調は当然見つかりません。
 
心因性の腰痛では痛みの程度に波があるのも特徴です。痛みがひどくなったり弱くなったり、痛む場所が変わることもあります。
 
その他ごくまれにですが、内臓のがんが骨に転移して痛むこともあります。
 
血行不良による腰痛であれば、しばらく安静にする、血流を促すなどすることで回復することがほとんどです。
 
それでも腰痛が改善せず、姿勢を変えるなどしても痛みがひかない場合はこうした内臓疾患を発症している可能性もあります。医師の診察を受けましょう。

痛む場所別 可能性のある病気 肝臓の不調も表れる

背中の痛む箇所と、可能性のある病気をまとめます。
 
・首、肩、腕のしびれを伴って激しく痛む
心臓病の疑いがあるのですぐに病院に行きましょう。
 
・肩甲骨の下部の・・・
右なら十二指腸潰瘍か、胆石、左なら胃潰瘍かすい臓炎が疑われます。
 
・背中の右側から肋骨の右側下部分
肝炎が疑われます。肝炎が治っても痛みは残ることがあります。
 
・肝炎と同じように背中の右側に痛み
肝硬変・肝臓がんの可能性があります。倦怠感、腹痛、食欲不振などを伴うこともあります。
 

 
・背中下部の片側
腎盂腎炎の可能性があります。
 
このほか、肋間神経痛も初期の兆候として背中の痛みが現れます。
 
背中の痛みで最も多いのは、腰痛です。
 
ぎっくり腰など、よほど重症の場合でない限り、腰痛なら数日安静にしていれば多くは回復します。
 
痛みが続くなら軟骨や神経部分の変形による腰痛(しびれも伴うことがあります)が考えられ、前述のように臓器疾患もありえるのでいずれにしても診察を受けておくと安心です。
 
肝炎はウイルス感染、長期のアルコール過剰摂取などが原因で発症します。
 
肝炎から症状が進んだ状態で、肝臓が線維化して硬くなり、肝臓の機能が失われています。ウイルスによる肝炎の慢性化や、アルコール過剰摂取が原因になります。
 

 
一日5合以上の日本酒を毎日、5年間飲み続けると8割の人が肝硬変になるといわれています。
 
肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるほど自覚症状の少ない臓器です。痛みなどを感じた時点では疾患がかなり進行していることが考えられます。飲酒習慣があるなら休肝日を設けるなど、日頃から肝臓をいたわってあげることが大事です。
 
腰痛など特に原因がないのに背部痛がある場合は決して見過ごしたりせず、念のために医療機関で診察を受けましょう。
 
そのまま放っておくと取り返しのつかないことにもなりかねません。