日本人の肝炎の80%はウイルスによるもので、残りの多くはアルコール摂取過多が原因です。

ウイルス性の肝炎はA型~E型の5タイプがあり、その中でもB型や、輸血や薬剤による感染が広がったC型が取りざたされることが増えています。

感染力が強いB型肝炎 母子感染対策や感染経路について

B型肝炎は感染力が強いのが特徴です。
 
B型肝炎ウィルスは自然環境の中でも1週間生き続けると言われています。
 
感染経路では性的接触および母子感染が多くなっています。
 
外国では母子感染を予防するため、B型肝炎ワクチンの定期接種を乳児期に行っている国も多くあります。
 
日本でも妊婦さんの検査が実施されており、これらの対策は母子感染予防に貢献しています。
 

 
唾液を介して感染することもあります。セキやキス、口唇性交でも感染する可能性があり、医師の不倫相手が感染した例もあります。
 
08年6月に秋葉原で起きた連続殺傷事件の際には、犠牲者の一人にB型肝炎の疑いのある人がいました。
 
そのため現場で治療行為をした人は肝炎に感染したおそれがある旨の報道がありました。(一般的な前提として、出血している人に対し素手で救命行為をするのは、助ける側の人にリスクを伴う行為です)
 
その他の感染経路としては輸血や臓器移植、性交渉、注射器の使いまわしがあります。
 

 
かつては輸血による感染も多かったのですが、最近は予防措置が徹底しているので輸血によるB型肝炎はほとんど発生していません。
 
昔は入れ墨を入れる際の感染も多発しました。入れ墨を彫る針を使いまわすことから感染が広がっていたのです。

感染者と接触しても感染しない行動まとめ 急性の場合の症状は

「財団法人 ウイルス肝炎研究財団」のホームページには、「感染者と接触しても、次のような場合は感染しません」とあります。

・握手をする
・抱き合う
・軽くキスする
・隣に座る
・食器を共用する
・一緒に入浴する
 

 
「軽いキス」がどの程度かがよくわかりませんが、唾液が接触するのは避けるべきではないでしょうか。
 
B型肝炎では急性の場合は発熱、おう吐、倦怠感などを発症します。慢性では特に目立った症状はなく、食欲不振や倦怠感などを感じる程度です。
 
B型肝炎に対するワクチンは効果が高く、かつ治療法は確立されています。発症していないキャリアの場合でも有効な治療を施すことができます。
 
急性でない場合は4~24週間の潜伏期間の後、発熱、関節痛、筋肉痛、発疹、黄疸などを発症しますが、症状が出ないケースも多く、キャリアの10%は慢性化するといわれています。
 
慢性肝炎になると肝硬変から肝がんに移行することもあるので注意が必要です。